落ちこぼれ白魔術師ですが、潜伏先の幻獣の国で賢者になりました ~絶対に人間だとバレてはいけない、ドキドキスローライフは溺愛付き~
そういえば、薬屋の店舗は住居のほうに比べて傷みが激しかった。見た目ではあまりわからないけれど、天井の梁とか柱の裏とか、目に見えないところが傷んでいたように思う。住居は人の気配がなくなれば劣化すると、ライガンが言っていたっけ。
「パトリシアのアミュレット屋さんが繁盛したらいいな、との願いも籠っています! あ、つ、ついでじゃないですよ!」
「ふふっ、わかっているわよ、リンレン」
慌てるリンレンに笑い返すと、彼は耳をピンと立て、ほっとしたように頬を緩ませた。その表情を見つつ、青い糸を取り出して、ベースを編み、次に白い糸と桃色でホミと同じようなウサギのモチーフを作る。最後に、黄色の糸でウサギのモチーフを縁取りすると、「商売繁盛(金運上昇)」のアミュレットの完成だ。
「はい、出来た! どうかな?」
「これは……なんというか、すごく神々しいですね」
「神々しい?」
私は首を傾げ、リンレンとホミの持つアミュレットを覗き込んだ。
……なんの変哲もない、糸で編んだアミュレット。手作り感があって、温かみはあるけれど、神々しいとは少し違うような。
「パトリシアのアミュレット屋さんが繁盛したらいいな、との願いも籠っています! あ、つ、ついでじゃないですよ!」
「ふふっ、わかっているわよ、リンレン」
慌てるリンレンに笑い返すと、彼は耳をピンと立て、ほっとしたように頬を緩ませた。その表情を見つつ、青い糸を取り出して、ベースを編み、次に白い糸と桃色でホミと同じようなウサギのモチーフを作る。最後に、黄色の糸でウサギのモチーフを縁取りすると、「商売繁盛(金運上昇)」のアミュレットの完成だ。
「はい、出来た! どうかな?」
「これは……なんというか、すごく神々しいですね」
「神々しい?」
私は首を傾げ、リンレンとホミの持つアミュレットを覗き込んだ。
……なんの変哲もない、糸で編んだアミュレット。手作り感があって、温かみはあるけれど、神々しいとは少し違うような。