落ちこぼれ白魔術師ですが、潜伏先の幻獣の国で賢者になりました ~絶対に人間だとバレてはいけない、ドキドキスローライフは溺愛付き~
「ふふっ。ありがとう、ふたりとも。うん! 自信がついたわ。救護所の獣人さんたちの分を急いで作ってしまうわね! 早速今夜、届けたいから」
「はいはーい! あたし、お手伝いするっ!」
「僕も頑張ります!」
 やる気満々のふたりに私は頷いた。実は、やってもらいたいことがあったのだ。それは、編んだアミュレットに紐を取り付ける作業である。五角形のアミュレットはそのままでは持ち運びしにくい。腰に付けたり、首にかけたりするには長めの紐があったほうがいいのだ。実際私のアミュレットにも、ライガンが首からかけられるように紐を付けてくれている。それを参考に、兄ダルシアのアミュレットにも真似して付けたのだった。
 先程出来上がったばかりのアミュレットを例にして、紐の付け方を教えると、ホミとリンレンは自身のアミュレットに同じように紐を付けていく。その様子を見ながら、私はアミュレットの量産を始めた。「量産」といえども、願いを込めることに手を抜いたりはしない。ひとつひとつ丁寧に、編み目のひと目ごとにみんなの無事を願って気持ちを込めていった。
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