君にたくさんのありがとうを
病室の中に神代くんとふたりきり。
神代くんが眠り続けてもう3日になる。
「神代くん……ごめんね」
もう何度こうして謝っているだろうか。
なんだってするから、早く目を覚まして欲しい。
何度も何度もそう願っている。
私も神代くんのように予知夢を見ることができたなら、私が死なないように守ってくれたのように、神代くんのことを守ることができただろうか。
変わりたいのに変われない。
神代くんが無事に起きたら何から伝えよう。
やっぱり助けてくれたお礼だろうか。
眠っている神代くんを見てそんなことを考えていると、ガラリと扉が開いた。
何か忘れ物をして取りに来たのだろうか。
神代くんのお母さんかと思った。
しかし、訪ねてきたのは違う人たちだった。
「あ、桜庭さん来てたんだね」
そう言ったのは鎌田くん。
それに私は「うん」と頷いた。
神代くんのお母さんと入れ違いで来たのは、鎌田くんたちだった。
「颯馬……」
陽子ちゃんが神代くんの隣に来て、手を握る。
眠っている神代くんから握り返してくることは無い。
それをまた悲しんでいるようだった。