君にたくさんのありがとうを
「でも、一度避けちゃって、嫌われたかと思ったから、また話しかけるの躊躇してたんだ。ごめんね、詩織」
「詩織のこと信じてあげられなかった……ごめん」
2人は何度も私に頭を下げた。
「ふ、2人とももうやめてよ……」
英里ちゃんも未奈ちゃんも何故か涙を流していて、それにつられるように私も目から涙がこぼれ落ちる。
私たちは3人で抱き合って泣いた。
ずっとそのままになっていた誤解は、解けたらしい。
「本当はずっと詩織と仲直りしたかった」
英里ちゃんが私の耳元で呟いた。
「私もだよ。また、詩織と話したかった」
続いて未奈ちゃんもそんな嬉しいことを言ってくれた。
「私も。ずっと英里ちゃんと未奈ちゃんと仲直りしたいって……また一緒にいたいって思ってた……」
「詩織ーっ」
私がそう言うと、2人の私を抱きしめる手がギュッと強くなった。
「話、聞いてくれてありがとう」
「こちらこそ、話してくれてありがとう」
「ちゃんと詩織の口から聞けて良かった」
ずっと心が離れ離れになっていた私たちは、仲直りすることができた。