君にたくさんのありがとうを



「うん、話せたよ。ちゃんと誤解も解けた」


「そっか。よかったじゃん」



優しく微笑んでそう言ってくれる神代くん。


でも、こうしてちゃんと英里ちゃんと未奈ちゃんと話せたのも神代くんのおかげなんだよ。


神代くんが私の背中を押してくれたから。


そうじゃなかったら、今もまだ2人に誤解されたまま。


心が離れたままだったかもしれない。


また前みたいに一緒に話し合えたことは奇跡みたい。



「神代くんのおかげだよ」


「俺の?」


「神代くんが変わるか変えられるかじゃなくて、変えようとするかどうかなんだって、どう行動するかなんだって言ってくれたから」


「あー、そんなことも言ったかも」



照れくさいのかどこか他人事の神代くん。



「でもさ、それってちゃんと行動起こせたのは詩織の力じゃん?褒めるのは詩織自身だよ」


「私自身?」


「そう。だから変われた自分を褒めてあげて」


「ありがとう、神代くん」



いつも神代くんには助けられる。


何度、神代くんにお礼を伝えたらいいのかわからない。




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