裏側の恋人たち
「センセイ、昨日はホントにありがとうございましたぁ」
「いいよ、ちょうど都合があったし」
曽根田さんがなぜかちらっと私を見て意味ありげに微笑む。
「浜さんたちも昨日はずいぶんお楽しみだったみたいですね。いいですねー、私すぐ酔ってしまってあんまり強いお酒は飲めないから羨ましいです。最終日の打ち上げは飲み放題だし、思い切りたくさん飲んでくださいね。私は楽しくおしゃべりすることにします」
言っていることは普通なんだけど、何かトゲのようなものを感じるのは私の心が澱んでいるからだろうか。
「そうだ、金曜の夜は打ち上げですよね。あー、楽しみだなぁ。また姐さんのキモチイイ飲みっぷり期待してますから。俺、今度はちゃんとついていきますからね。体調万全にしときます」
佐野くんのからっと明るい声にちょっと救われた。
「佐野くんもお酒ーー」
まだ何か言おうとする曽根田さんに福岡先生が
「曽根田さん、他のテーブルはもういいの?」と問いかける。
「ええ、ここで最後です。っていうか最後でごめんなさい」
上目遣いで福岡先生を見つめる曽根田さん。
うわあ、あざとい。あざとすぎる。
ぬるーっとしたイヤな空気を破ったのは美原さんだった。
「そろそろ他の話もあるから私は浜さんと上がってもいいかしら。夕食も終わったし」
美原さんが福岡先生、佐野くん、曽根田さんの顔を見回して立ち上がる。
「じゃあ皆さんお疲れさまでした。浜さん行きましょうか」
「あ、はい」と慌てて私も立ち上がる。
有無を言わせずってこういうことなんだと思う。
美原さんの雰囲気だけでその場の3人もはいどうぞって感じだった。
お疲れさまでしたと挨拶をして連れ立って食堂を出る。
廊下を歩きながら「ーーーああ気分悪っ。抜け出せてすっきりした」と美原さんが悪そうな顔でくすくす笑いだした。
「じゃあ浜さん、2人で飲みましょうか」
「え?」
「鬱陶しかったわね。あの若い子。ドクター狙いで浜さんを目の敵にしてる。つっかれるわ」
急に口調が変わった美原さんにちょっとびっくり。
「私の部屋でいい?部屋の冷蔵庫は空よね。自販機はどこにあるの?一緒に買いに行きましょう。まだ夜は早いんだから飲めるでしょ」
急な展開に戸惑いつつももちろん異論はない。
「自販機は外のが安くて種類もありますよ」
「ううん、浜さんも佐野くんのみたいにタメ口にしてくれると嬉しいな。よかったらふみかさんって呼んでいい?私のことは千秋って呼んで」
美原さんがよそ行きの顔を崩して笑顔をくれた。
「うん、じゃあ千秋さん、自販機でお酒買って飲もう。私の部屋に昨日買った甘いものがあるから持って行くね」
「よし、決まり。お酒買ったら着替えて集合」
既になんだか同志。
同年代異職種同性。吉乃以外にたいした友達のいない私にとって久しぶりに出来た友達。
心が浮き立ち、くすぐったい。
「いいよ、ちょうど都合があったし」
曽根田さんがなぜかちらっと私を見て意味ありげに微笑む。
「浜さんたちも昨日はずいぶんお楽しみだったみたいですね。いいですねー、私すぐ酔ってしまってあんまり強いお酒は飲めないから羨ましいです。最終日の打ち上げは飲み放題だし、思い切りたくさん飲んでくださいね。私は楽しくおしゃべりすることにします」
言っていることは普通なんだけど、何かトゲのようなものを感じるのは私の心が澱んでいるからだろうか。
「そうだ、金曜の夜は打ち上げですよね。あー、楽しみだなぁ。また姐さんのキモチイイ飲みっぷり期待してますから。俺、今度はちゃんとついていきますからね。体調万全にしときます」
佐野くんのからっと明るい声にちょっと救われた。
「佐野くんもお酒ーー」
まだ何か言おうとする曽根田さんに福岡先生が
「曽根田さん、他のテーブルはもういいの?」と問いかける。
「ええ、ここで最後です。っていうか最後でごめんなさい」
上目遣いで福岡先生を見つめる曽根田さん。
うわあ、あざとい。あざとすぎる。
ぬるーっとしたイヤな空気を破ったのは美原さんだった。
「そろそろ他の話もあるから私は浜さんと上がってもいいかしら。夕食も終わったし」
美原さんが福岡先生、佐野くん、曽根田さんの顔を見回して立ち上がる。
「じゃあ皆さんお疲れさまでした。浜さん行きましょうか」
「あ、はい」と慌てて私も立ち上がる。
有無を言わせずってこういうことなんだと思う。
美原さんの雰囲気だけでその場の3人もはいどうぞって感じだった。
お疲れさまでしたと挨拶をして連れ立って食堂を出る。
廊下を歩きながら「ーーーああ気分悪っ。抜け出せてすっきりした」と美原さんが悪そうな顔でくすくす笑いだした。
「じゃあ浜さん、2人で飲みましょうか」
「え?」
「鬱陶しかったわね。あの若い子。ドクター狙いで浜さんを目の敵にしてる。つっかれるわ」
急に口調が変わった美原さんにちょっとびっくり。
「私の部屋でいい?部屋の冷蔵庫は空よね。自販機はどこにあるの?一緒に買いに行きましょう。まだ夜は早いんだから飲めるでしょ」
急な展開に戸惑いつつももちろん異論はない。
「自販機は外のが安くて種類もありますよ」
「ううん、浜さんも佐野くんのみたいにタメ口にしてくれると嬉しいな。よかったらふみかさんって呼んでいい?私のことは千秋って呼んで」
美原さんがよそ行きの顔を崩して笑顔をくれた。
「うん、じゃあ千秋さん、自販機でお酒買って飲もう。私の部屋に昨日買った甘いものがあるから持って行くね」
「よし、決まり。お酒買ったら着替えて集合」
既になんだか同志。
同年代異職種同性。吉乃以外にたいした友達のいない私にとって久しぶりに出来た友達。
心が浮き立ち、くすぐったい。