裏側の恋人たち
「・・・・・・暗がりで抱き合ってはいない。そこ、間違えないで。ホテルの外で話をしていたことは間違いない。でも、抱きつかれただけで抱き合ってはいないから。もう一回言うけど、抱き合ってない」
「でも」
「曽根田さんが泣いていたんだ。僕が泣かしたんだけど。そんなところを一緒に働くスタッフにみられたくないだろうと思って背中に隠してあげたら何を勘違いしたのか抱きつかれてしまった。君たちがいなくなってから曽根田さんにはきっちり抗議したんだけどね」
あれはそういう状況だった?
「しかも出会ったのがよりにもよってどうして君だったのかな」
そう言われればそうなのかと思うし、でもやっぱり翌日一緒に出掛けているんだから言い訳しているようにしか思えない。
「日曜日のこともそう。誤解されても仕方ないけど、僕が彼女を乗せて街に行ったのも偶然だよ。ホテルで車を借りようとしてフロントで手続きをしていたら、曽根田さんともう一人のナースがタクシーを呼ぶためにフロントに来ていたんだ。街に行くのは同じだし、帰りはタクシーで戻るって言うから行きだけ同乗させてあげることにしたんだけど」
おまんじゅうデートをしたんじゃないの?
一緒に食べたとか言ってたけど。
「彼女たちを下ろした後、和菓子屋には1人で行ったんだ。それは本当。僕が店から出てくるところを彼女たちは見てたらしくて、夕方ホテルに戻ってからそのお店の栗まんじゅうの話をされた。まさか彼女が同じものをスタッフ分買ったなんて僕は知らなかったよーーーこれが真実なんだけど信じてくれる?」
信じてくれる?なんて言われても、ちょっと返事に困る。
嘘をつく意味があるのかないのか。
信じて欲しいのはわたしとの関係を変えたいからなのか。
「素直に頷けないかもしれないけど、信じて欲しい。僕ももっと早くきちんと距離をとって欲しいと曽根田さんに言うべきだったのに一足遅かったんだね。昨日も今日も曽根田さんは僕のところには来ていないけど、浜さんもいないんだ」
「・・・・・・」
「まだ今回の仕事が終わるまで2日ある。公私混同しないように特別な関係を求めるのは我慢するけど、明日の打ち上げで避けるのは勘弁してね。あと、東京に戻ったら選んでもらえるようにちゃんとアピールするから覚悟して」
言いたいことだけ言うと、席を立ち福岡先生はドアに向かって歩き出した。
「おっと、忘れるところだった。残業はあんまり無理しないで、あと30分で終わらせるように。残ったら明日一緒にやればいい。僕らはチームでしょ」
「・・・・・・はい」
そうだ、
私たちはチームだった。
「でも」
「曽根田さんが泣いていたんだ。僕が泣かしたんだけど。そんなところを一緒に働くスタッフにみられたくないだろうと思って背中に隠してあげたら何を勘違いしたのか抱きつかれてしまった。君たちがいなくなってから曽根田さんにはきっちり抗議したんだけどね」
あれはそういう状況だった?
「しかも出会ったのがよりにもよってどうして君だったのかな」
そう言われればそうなのかと思うし、でもやっぱり翌日一緒に出掛けているんだから言い訳しているようにしか思えない。
「日曜日のこともそう。誤解されても仕方ないけど、僕が彼女を乗せて街に行ったのも偶然だよ。ホテルで車を借りようとしてフロントで手続きをしていたら、曽根田さんともう一人のナースがタクシーを呼ぶためにフロントに来ていたんだ。街に行くのは同じだし、帰りはタクシーで戻るって言うから行きだけ同乗させてあげることにしたんだけど」
おまんじゅうデートをしたんじゃないの?
一緒に食べたとか言ってたけど。
「彼女たちを下ろした後、和菓子屋には1人で行ったんだ。それは本当。僕が店から出てくるところを彼女たちは見てたらしくて、夕方ホテルに戻ってからそのお店の栗まんじゅうの話をされた。まさか彼女が同じものをスタッフ分買ったなんて僕は知らなかったよーーーこれが真実なんだけど信じてくれる?」
信じてくれる?なんて言われても、ちょっと返事に困る。
嘘をつく意味があるのかないのか。
信じて欲しいのはわたしとの関係を変えたいからなのか。
「素直に頷けないかもしれないけど、信じて欲しい。僕ももっと早くきちんと距離をとって欲しいと曽根田さんに言うべきだったのに一足遅かったんだね。昨日も今日も曽根田さんは僕のところには来ていないけど、浜さんもいないんだ」
「・・・・・・」
「まだ今回の仕事が終わるまで2日ある。公私混同しないように特別な関係を求めるのは我慢するけど、明日の打ち上げで避けるのは勘弁してね。あと、東京に戻ったら選んでもらえるようにちゃんとアピールするから覚悟して」
言いたいことだけ言うと、席を立ち福岡先生はドアに向かって歩き出した。
「おっと、忘れるところだった。残業はあんまり無理しないで、あと30分で終わらせるように。残ったら明日一緒にやればいい。僕らはチームでしょ」
「・・・・・・はい」
そうだ、
私たちはチームだった。