離婚直前、凄腕パイロットの熱烈求愛に甘く翻弄されてます~旦那様は政略妻への恋情を止められない~
 臆病だった私にそれを教えてくれたのは桔平さんだった。あの日からずっと私は彼に恋をしている。

* * *

 本格的に進路を考えなくてはならない高校二年の夏。
 乗りものが怖い自分はCAにはなれないと、私はかつての夢を諦め別の道を探そうとしていた。慶一郎おじさんに誘われJG空港が夏休みの子ども向けに企画した『職場体験プログラム』に参加したのはそんなときだった。

 制服姿の中高生が数十名。空港施設を見学したり、整備士や管制官がどんな仕事をしているのか教えてもらったりする。

(管制官やグランドスタッフなら飛行機に乗るわけじゃないから私でも目指せるかな? でも急な事故に遭遇したらパニックになるかも)

 そう思うとやはり自信がしぼんでいく。

 両親の亡くなった交通事故からもうすぐ七年になるのに、あのときの記憶は今も私の人生に暗い影を落している。

「それでは最後のカリキュラムはパイロットとキャビンアテンダントへのインタビュータイムです。みなさん、聞きたいことを考えてみてね」

 今日の案内役であるJG航空社員の女性に誘導されて部屋に入る。なかには数名のパイロットとCAが私たちを待っていた。いくつかの班に分けられて話を聞くことになるらしい。私はCAではなくパイロットの班に組み込まれた。
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