離婚直前、凄腕パイロットの熱烈求愛に甘く翻弄されてます~旦那様は政略妻への恋情を止められない~
「JG航空でパイロットをしている大門桔平です。どうぞなんでも質問してください。そして、ひとりでも多くの子がこの仕事に興味を持ってくれたらうれしいです」

 爽やかな笑顔と快活な声。

(うわぁ、すごいイケメン!)

 友達みんなが騒いでいるアイドルにも私はちっとも興味が持てなかった。どんな芸能人もパイロット姿の慶一郎おじさんにはかなわないと思っていたから。
 だけど、そんな私でも目の前にいる彼には目を奪われた。大人っぽいけれど全然おじさんではなくてパイロットの制服がまぶしいほどに似合っている。

「はい、はい! パイロットはモテますか?」
「ははっ。そうだなぁ」

 お調子者っぽい男の子がそんな質問をしても彼は誠実に答えてくれている。

(臆病な人間が航空業界を目指してもいいですか?って聞いたら、この人はなんて答えるんだろう)

 ふとそんなことを考えたけれど手をあげて質問する勇気は出なかった。

(聞かなくてもわかるよね。向いていないって言われるに決まってるもの)

 パイロットの大門さん、彼はすべてが完璧に見えた。イケメンできっと頭もよくて、勇敢で怖いものなんかないんだろう。彼だけじゃない。隣のブースのCAもそうだ。美人でスタイル抜群で優しそう……私とは違う世界の人。

(やっぱり経済学部辺りに進んで普通の会社員を目指そう)
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