偽りのはずが執着系女装ワンコに娶られました
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あの後、秀から「これからは婚約者として俺の傍にいてほしい」と、本物の婚約者に向けるような熱視線と口吻とでお願いされてしまい、恋はあっさりと了承してしまっていた。
以来、本物の婚約者さながらの扱いを受けている。
といっても、男性恐怖症を克服するための第一段階と言うことで、添い寝をするだけで、一夜を共にしたときのような不埒なことはしていない。
ただ恋が持っていた添い寝に対する概念と秀のそれとが違っていたために、少々……、否、大いに驚きはしたが、慣れというのは怖いものである。
添い寝初日。ただ隣で寝るだけだと思っていた恋の身体を抱き枕の如くぎゅうぎゅうに抱きしめて、「おやすみ、恋」と甘やかな声音で囁いてチュッと触れるだけとはいえ、キスを降らされた際には、心臓が口から飛び出すんじゃないかと思うほどドキドキさせられた。
けれど連日、添い寝に加えて、就寝前後の軽いキスと抱擁はもちろん、不意打ちのスキンシップに、熱烈な口づけというように、秀曰くありとあらゆる治療が施されているのだ。
そんな状態が一週間も続けばずいぶんと慣れてくる。否、麻痺してきたというのが正しいかもしれない。
その甲斐あってか、週末に予定していた、秀の両親への挨拶も何とか無事に終えることができ、一安心しているところだ。