【完結】離婚したいはずのお嬢様は、旦那様から愛の復縁を迫られる。
【SIDEレイヤ】


 ーーー二日前、アユリはカナトに家を出ていくように伝えた。
 カナトもそれを受け入れ、出ていくと言った。 しかしそれだけでは、終わらなかった。 
 
「教えて、レイヤ。あなたが本当に心の中で想っている人は……誰? それは私じゃないよね?」

 真剣な眼差しを俺に向けるアユリに、俺は「違うんだ、アユリ……」と言葉を絞り出す。

「違うって……何?」

 アユリ、どうしてそんな瞳で、俺を見るんだ。頼むからそんな目で、見ないでくれ……。

「確かに……ずっと忘れられない人がいることは確かだ。それは認める」

 確かに俺には、忘れられない人がいる。それは事実だ。だから認めざるを得ない。

「その想い人は……誰?」

「それはーーー」

 それは……それだけは、絶対に言いたくない。いや、言える訳がない。
 アユリはきっと、傷付く。そして悲しむことが分かってる。

「それを言ったら、きっとアユリを傷つけることになる。それでも、聞きたいか……?」

 頼むアユリ……。聞きたくないと言ってくれ。

「教えてほしい。……聞きたい」

 俺の気持ちとは裏腹に、アユリは聞きたいと答えた。 出来れば、教えたくないことをーーー。
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