crass
冷蔵庫の中も何もないけど
ペットボトルの水があったから、
それを蒼輔さんに渡した。

「コーヒーも無いの。」

テーブルもソファもなく、
立ったままだった蒼輔さんは
やっぱり背が高かった。

渡すペットボトルを持つ私の手と
蒼輔さんの受け取る手が
触れそうになったけれど
静かに渡した。

パソコンからも音楽も流さずに
静かな時間のなかだった。

私はジャケットを脱いで、
クローゼットにかけて…
蒼輔さんに近づいた。

静かに見上げて…
蒼輔さんをみた。
「水、飲んだ?」

蒼輔さんはペットボトルをみて
うん。と言おうとしていた。

「私も、頂戴。」
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