crass
いつもこんなことをしていた。
少し昔の話。

蒼輔さんはペットボトルの水を
少しだけ口に含んで…
見上げて少しだけ開けた
私の口のなかに
…それを流し込んだ。

うまく入らなくて、
唇の端から水が溢れて
少し流れた。

「ん…っ。」

唇が離れて、
蒼輔さんは…私の首筋を
通ろうとしている水滴を
静かに親指でぬぐってくれた。

蒼輔さんとキスがしたい。

もしかしたら声がでていたのか
私は蒼輔さんに唇を重ねた。

ドキドキしていたのは
きっと蒼輔さんも同じだった。
「亜輝、この水、置かせて。」

「…いいよ。持って帰って。」
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