crass
今度は、ゆっくり手を繋いだ。

蒼輔さんは繋いだ私の手を
少しぎゅっと強く握った。

「きっと、カルピスウォーターくれる
アイツは、亜輝が好きなんだよ。」

ああ、あの…男性社員…。
「なんで、今その話するの?」

「やっぱり俺は、亜輝のことが…」
と言われた時に唇に手を触れて…
静かに私からキスをした。

もう、私達は別れたんだから。
別れてすぐ、別の恋人作ったの
蒼輔さんの方じゃん…。

「道に迷ったら、連絡して。」
と言って、私は…
蒼輔さんに背を向けた。

見送りたくなんかない。

カタン、カタン、と音がして…
一瞬音がしなくなって…
ドアが閉まる音が聞こえて…
ああ、私は一人になった、と
冷静に思った。
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