二次元の外には、予想外すぎる甘々懐妊が待っていました
 中2でセックスを覚えた涼だ。
 ただでさえ、生まれ持った品格あるルックスを持っているにも関わらず、中学にして大人の色気まで持つようになった。
 そうなるとどうなるか。

「芹沢くん!付き合って!」
「やだ、あんなブスと付き合うくらいなら、私と付き合って!」

 このように、涼に交際を申し込む人は後を絶たない。
 告白されるのを待っているようだと、すでに誰かの手垢がついてしまう。
 涼を自分のモノにしたいと考える人々は皆、同じように考え、どうすれば涼の目に入れるかを競っていた。

「はあ!?ブスって何よ!お前の方がドブスなんだよ、ああ?」
「ねえ芹沢くん!」
「私とこいつ、どっちがブス!?」

 涼は、いかにも退屈と言いたげな表情を隠さずこう言い放った。

「どっちも」

 こうして、何人もの屍を作り続けた涼だったが、最初はもう少しまともな対応をとっていた。
 きっかけは、あるクラスメイトの女生徒との関わり。
 その女生徒は、中1の時に中3の先輩から告白されて付き合っているということで、割と有名だった。
 首筋にキスマークがついてることも時々あったことから、もうセックスも経験済みなのでは、と周囲が湧き立つこともあった程。
 涼は、特にそのカップルに興味を持つことはなく、ただただ「うるさいな」くらいにしか思っていなかった。
 それだけの関係性だったはずの女生徒と大きく絡むことになるのは、中2の終わり。
 授業が終わった後で、唐突に女生徒から涼は声をかけられたのだ。

「ねえ、芹沢くん。私とデートしない?」

 その甘ったるい声は、涼が性技を覚えるきっかけになった、名も知らない女とよく似ていた。
 その声を聞くだけで、涼はゾクゾクした。

「先輩と付き合ってるって、聞いたけど?」
「だって、先輩部活が忙しいってなかなか会ってくれなくてつまらないんだもん」
「じゃあ別れるの?」
「ううん。先輩、私のこと好きすぎてしょうがないから、別れるなんてもったいないでしょ?私も、先輩のこと好きだし」
「じゃあ、何で僕に声をかけるの?」
「だって……」

 女生徒は、何の前触れもなく、涼の頬に触れてきた。
 涼は、再びゾクゾクした。

「芹沢くんなら、遊びに付き合ってくれそうな気がして。そんな匂いがする」
「匂い?」
「そう。遊び人の匂い」
「……言ってくれるね」
「どう?私と遊んでみない?」
「……僕に、本気になっても知らないよ」

 その後、涼は両親が不在だという女生徒の家に行き、何度も繰り返しセックスをした。
 やはり処女ではなかった女生徒は、最初こそは余裕な表情を見せていたが、途中から涼の繰り出す技の虜になる。
 時間は、たったの1時間。
 だが、その間容赦なく涼によって攻めに攻められた女生徒は、あっという間に心も体も涼の虜になってしまい、その日の内に先輩との別れを決めた。
 もちろん、涼が聞いたところで

「だから何?」

 の一言だけだったが。
 とはいえ、この出来事がきっかけで、涼はある遊びを思いついてしまう。
 それは、彼氏がいる女を口説き、女が自分を本気で好きになり、彼氏と別れたタイミングで捨てる。
 難易度は高いと思っていた。
 だからこそ、少しは楽しめると思った。
 でも、そんなゲームすら、涼はあっさりとクリアしてしまう。
 結果的に中学から高校まで、数多くのカップルを別れさせたのは、地元では有名な話になってしまった。
 それでも彼への好感度がさほど下がらなかったのは、涼は純情カップルは決して狙わなかったから……。

「ねえ。香澄」

 今度は、涼は香澄の首筋に手を当てる。
 汗がじんわりと滲んでいる。

「もし君が他の男に口説かれて、そいつの方に行ったとしたら……」

 涼はそのまま香澄の首筋に手をかける。

「きっと、僕は殺してしまうかもしれないね。君も、君を口説いてきた男も」

(まあ、そんなことは絶対させないけどね……死んでも)

 涼は、因果応報という言葉がどうすれば自分に返ってこないかを考えながら、さらなるクズエピソードを思い出していた。
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