二次元の外には、予想外すぎる甘々懐妊が待っていました
 涼は、香澄と会話をした時に出てきたシチュエーションを叶えるため、香澄を早々に浴室に押し込めて準備を進めた。
 ここのホテルのお偉いさんとは、仕事でお世話してあげたことが山ほどある涼だったので、難易度が高いと思われていたイブ当日でのスイートルームの確保も、プチスイーツビュッフェも難なくクリアできた。
 そのお偉いさんの依頼のほとんどが女性問題であり、それらを世に出回る前に涼が処理してきた。
 そのため、お偉いさんは、涼には頭が一切上がらなかったりする。
 そんな涼ではあったが、シャワーの水音が部屋に響いている間、落ち着きなく部屋をぐるぐると歩き回っていた。

(あの扉の向こうの香澄は、裸なんだよな……)

 女の裸は飽きるほど見てきたと言うのに。
 それこそ、モデル体型の女とのセックスは数多くしてきた。
 それはそれなりに楽しむことはできてはいたのだが、その時よりも、今の方がずっと涼は問題だった。

(落ち着け……俺……)

 まだ1度も見たことがない香澄の裸を想像してしまい、あそこが興奮し始めていたのだ。
 妄想だけでこんな風になるのも、涼にとっての予想外だった。

(落ち着け……落ち着け……)

 スイーツが部屋に運ばれ、並べられてる間も、偉そうにああでもないこうでもないとしなくてもいい指示を出したのは、涼の脳内から煩悩を弾き出すため。
 せっかく少しでも近づけると言うのに、いきなりこんな自分の姿を見せて、香澄に引かれるのは嫌だった。
 そんな涼の努力の甲斐もあり、ビュッフェの形が整った頃には、涼のあそこは平常運転を取り戻すことはできていた。
 そのタイミングで、浴室の水音も止まった。

(よし、これなら……)

 涼は、浴室の扉の前で待機した。香澄が洗面台を使い始めそうになったタイミングで声をかけられるように。
 香澄に聞かれないよう、こっそりと深呼吸をしながら待った。
 そして、頃合いを見計らって声をかけた。

「大丈夫ですか?」
「だ、大丈夫です!」

 この時の涼の脳内は、恋ボケ中だ。
 バスローブ姿であろう香澄が「大丈夫」と発言した瞬間、涼の頭の中にベッドに横たわる香澄の姿が思い浮かんでしまった。

(しまった……!)

「落ち着いたらぜひこちらにお越しくださいね」
「は、はい!!」

 どうにか平静を装って、言いたいことは最後まで言えた涼ではあったものの……。

(今からこんなんで、俺大丈夫か?)

 再び元気になってしまったあそこを、どうすれば鎮めることができるのか。
 予想外な難題に取り組む羽目になった涼であった。
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