二次元の外には、予想外すぎる甘々懐妊が待っていました
「僕は、別に優しいわけじゃない」
「え?」
「ただ、したいことをしてるだけ」
「したい……こと?」

 涼は、香澄の「誰かのため」と言う行動原理を少しだけ
利用させてもらうことにした。
 言葉に嘘はない。
 実際、心の底から香澄を望んでいるのは事実だから。

「あなたを、僕の胸に引き寄せてみたい……とか」

 こんなことを、香澄に向かって言葉にするだけで、本当は顔から火が出るかと思うくらい熱くなってきている。
 
「それは……あなたの親切じゃないの?」
「これを親切という女性は、滅多にいませんよ」

 そう。親切なんかじゃない。
 雄としての純粋な欲望。

「あなたは、僕と恋愛体験ができる。僕は……あなたの肌を味わえる。これで、お互いの望みが叶う……どうでしょう?」

 涼は、香澄の体を抱くと言う望みを。
 香澄は、恋愛を体験したいという望みを。

(まあ……体験だけにするはずが、ないんだけどね)

 涼は、わざと香澄に選択させた。
 先に進むか、進まないか。
 それは、自分で決断したことの方が強く残るから、と言うのもあるが、単純に涼はこう思っていたから。

(僕との恋愛経験を、香澄にも心から望んでほしい、と)

 そしてその賭けは、涼が勝った。

「二次元じゃデキないこと、僕が教えてあげる」

 涼はそう言ってからすぐ、香澄の唇を貪り始めた。

「んっ……」

 香澄の唇から漏れるかわいい声も、香澄の唇の味も想像していたよりずっと美味しくて可愛かった。
 それから涼は、しばらくの間、香澄の舌を吸ってみたり、唇を舐めてみたり、軽いキスを何度も繰り返したりと、さまざまなキスを試した。

「もっとください……」

 無意識に言ったであろう、香澄のおねだりに、涼の理性は完全に崩壊していた。
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