二次元の外には、予想外すぎる甘々懐妊が待っていました
 涼は驚いた。
 自分のどれを見て、勃たないと言っているのだろう、と。
 まだ下半身はズボンにしまい込んでいるが、少し見れば分かるはずだろう。しっかりとテントになっているから。

「何言い出すの?急に」

 涼は、動揺を隠すため、香澄の髪の毛を掬った。
 ふさふさした触感がたまらなく好きだと思った。
「さっきの女性には、そうおっしゃってましたよね」
「……女性?」
「ほら、レストランで……」
「ああ、あれね……」

 あまりに香澄に夢中になりすぎていたせいで、数時間前まで横にいた女のことなど、すっかり涼は
忘れていた。

「君も嗅いだだろう?人工的な香りがぷんぷん漂っている女は、僕の好みじゃないんだ」
「で、でも……あの人、綺麗な人だし……それに……」

 涼は、イライラした。
 香澄は、他の女を褒める。
 まるで、涼にはその女の方がふさわしいと、香澄に言われているようで。
 
(俺は、こんなにも香澄を愛しいと思っているのに)

「んんっ!?」

 これ以上香澄から他の女のことなど聞きたくなくて、涼は香澄の潤んだ唇を舐めては吸い、噛み付いてはまた舐めるを繰り返す。
 しばらく香澄に、これでもかと愛情を唇でぶつけた後で、涼はこう吠えた。
 
「こんな時に、君の口から他の女の話なんか聞きたくはないかな」

 涼がそう言うと、香澄の頬がりんごのように真っ赤に染まる。
 それと同時に、唇をほんの少し開けたまま、ぽーっと涼を見つめる。

(少しは、俺の気持ちが伝わっただろうか)

 涼は、香澄の唇を自分の唇で軽くつつきながら、尋ねてみた。

「他の女のこと、香澄は気になる?」
「え?」

(気になるって、言ってほしい)

「そうじゃないんです」

(えっ)

 涼は、ショックを受けた。

「ただ、分からなくて……」

(分からない?まだ、俺の想いが足りないってことなのかな?)

 その時、涼の鼻をとても良い香りが掠めた。
 その香りに釣られるかのように、涼は鼻を香澄の首筋に近づけた。
 そして、深呼吸をするかのように、思いっきり香りを吸い込んだ。
 2度と手放したくない、甘くて優しい、みずみずしい香り。
 香澄の香りだと、思った。
 液晶越しでは決して嗅ぐことが叶わなかった香り。

「何して……!?」
「君の体からはね、果物のようなみずみずしい香りがするんだ」
「え?」

 涼は、その香りごと香澄にたくさんキスマークを残していく。
 この香りも、味も、香澄そのものも誰にも渡さない、と言う意志を込めて。

「香澄。覚えておくといいよ」
「何を……ですか……」
「体の相性がいいもの同士って、いい匂いがするんだってこと」

 ふと、気になった。
 
「僕の匂いはどうかな」
「好きです」

 すぐに香澄から返事があった。
 好きだ、と言う言葉が。
 それが自分本人に対してじゃなかったとしても、涼は舞い上がってしまった。

「それじゃあ……僕たちの相性は最高ってことだね。それにね……」

 涼は、知らしめたかった。
 自分が、どれだけ香澄に興奮しているのか。
 早く香澄の中に入りたくて仕方がないと思っているのかを。
 香澄の小さくて柔らかい手をそっと取ると、そのまま自分の硬くなったあそこへと導く。
 触れさせた瞬間、香澄の目が見開いた。
 でも、その表情から嫌悪感は読み取れなかった。

「どうかな?」
「ど、どうと聞かれましても、その……私は何を聞かれてるのでしょうか!?」
「君の中に、入ってもいいかどうか、教えて」

 直球すぎただろうか、と思った。
 でも、後1分ももたないだろう。
 だったらいっそ、早く同意が欲しい。
 自分が、香澄と1つになることを。

「私の中に……これは入るのですか?」

 香澄に見つめられるだけで、どんどん張り詰めていく。
 このままだと、初めての香澄を傷つけてしまうかもしれない。
 苦しめてしまうかもしれない。
 だからこそ、涼は言葉にした。

「心配なら、もっと優しくする。だから、僕を受け入れて」

 香澄は、一瞬恥じらったように見えた。
 けれどすぐに、華やいだ笑みを浮かべてこう言ってくれた。

「よろしくお願いします」

 その言葉を聞いた瞬間、自分の棒を香澄の入口に当ててしまっていた。
 つけるべきものもつけずに。
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