二次元の外には、予想外すぎる甘々懐妊が待っていました
 涼にとって、セックスは退屈を紛らわすための遊びだった。欲を満たすための道具だった。
 お腹が減れば食べるし、眠くなったら眠る。そんな欲の1つでしかなかった。
 ところが、今はどうだろう。

「香澄……苦しくない……?」
「はい……大丈夫です……」
「ここは、気持ちいい?」
「はい……とても……んっ」
 
 少しでも、愛しい香澄が自分の身体に溺れてくれないだろうか。
 自分が香澄の全てに溺れて悶えるように。
 そんなことを願いながら、涼は香澄の奥に入り続ける。
 香澄の口から漏れてくる、可愛らしい音色が涼の気持ちを昂らせ、涼の昂りが、また香澄の中へと還元されていく。
 お互いの、最も深い部分での触れ合いが、ぶつかり合いになり、溶け合いになっていく。
 それらの過程に惰性は1つもない。
 全てが真剣勝負だ。涼と香澄の。
 
(どうして、この子の中はこんなに気持ちいいのだろう)

 涼にとってセックスは、征服するものだった。
 でも今の涼は、香澄に征服されている。
 まるで、香澄の奴隷になったかのように。
 香澄が求める声に、どうすれば応えられるか必死で考えた。

「可愛い……本当に……」

 どうすれば、この胸の想いがすべて伝わるのか。
 思いつく限りのことを涼は必死に試した。

「もっとほしい」

 とねだる香澄のために。
 そのせいもあった。
 絶対忘れたことがなかった避妊を涼ができなかったのは。
 でも結果としては、涼にとっては最高のものをもたらした。
 涼が自分の遺伝子を香澄の中に残したことで、香澄と涼のつながりは確かに保たれたのだから。
 あの夜。涼は自分が香澄という存在に翻弄されたという自覚はあった。
 それを、涼は確かに望んだし、生涯翻弄されることを香澄の中で最後果てた時ですら願った。
 でもその翻弄とは、決して自分を置いて、香澄がどこかに消えてしまうことではなかったのだが。
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