二次元の外には、予想外すぎる甘々懐妊が待っていました
拓人の言葉に、心当たりがないと、もしここで涼が言ってしまったなら、ここでゲームセットになっていただろう。
少なくとも拓人は、その言葉を期待した。そうすればバッサリと涼を香澄から切り離す良い口実ができるから。
「あんたみたいな人でなしは、香澄にも、香澄の子供の父親にもふさわしくない」
そんな言葉を次に言おうと、拓人は準備をしていた。
でも涼は言わなかった。その代わり、涼はこう、拓人に尋ねた。
「どうすればいい」
「は?」
「どうすれば、僕が香澄の側にいても良いと、お前は思うんだ?」
散々馬鹿にしてきた拓人に対して、自分の今後すべきことを尋ねるということは、涼にとって本来は屈辱的なことだ。
だが、その屈辱を乗り越えてでも、今の涼には手にしたいものがある。
それこそが、香澄だった。
「どうすればって……」
拓人は、本気で困惑した。
自分の目の前にいる男は、本当に自分が知っている芹沢涼なのだろうかと、疑った。
いっそ皮だけ本人で中身別人の宇宙人と言われる方が、よっぽど納得感がある。
それくらい、拓人にとっては衝撃的な体験だった。
「……適当に別れた女にちゃんと話しつけるとか?」
拓人が適当にそう言うと、涼はすぐにスマホで過去の女たちと連絡を取ろうとした。
「ちょっ、ちょっと待ちなさい!?正気!?」
拓人は知っている。
目の前の、人の皮を被った悪魔であるはずの人間は、自分なんかの言葉にちゃんと耳を傾けるはずはないということを。
そうであったはずなのだ。
だが、涼はちゃんと受け入れようとした。
そして行動しようとした。
それだけでも、天地がひっくり返るほどの大事件なのだ。少なくとも、拓人にとっては。
「あんた……本気で香澄とどうにかなりたいと、思ってるの?」
「当然だ」
その返答のスピードに、拓人は夢を見ているのではないかと思った。
女を落とすゲームばかりして、女に執着することがなかった鬼畜が、拓人が知る限り初めて、ちゃんと人に執着しているのだから。
「それで、僕が全員にちゃんと謝罪すればいいのか?」
「は?」
「だから、謝罪すれば香澄と僕の結婚を認めるのかと、聞いてるんだ」
「…………あんた、本当に芹沢涼なの?」
思わず拓人は、本人か尋ねてしまった。
しかも、名前を聞くだけでは心もとないので
「生年月日は?私が小学校入学した日にどんな悪戯をして次の日学校に行かせなくした?」
と、芹沢涼本人にしか分からない質問を次々に投げかけた。
その結果、涼はちゃんと全て答えることができた。一字一句間違えずに。
そんなやりとりが繰り返された最後、拓人は1つの結論を導いた。
「……明日、大災害がやってくるわ……」
芹沢涼という人間が、間違いなく変わった。
それが、たった1人、香澄という名の女性のために。
ようやく拓人がそれを認めようとしたその時だった。
「「香澄……?」」
階段を駆け降りる音が聞こえた。
それをする人間は、香澄しかいないから。
その音が聞こえてすぐ、リビングに香澄は息を荒くして飛び込んできた。
「お父さん!おばあちゃん!?」
と涙声で叫びながら。
そして、香澄の目の前にいたのが求めていた人物とは全く違ったからだろう。明らかにがっかりしたとわかる、悲しげな表情を浮かべた。
少なくとも拓人は、その言葉を期待した。そうすればバッサリと涼を香澄から切り離す良い口実ができるから。
「あんたみたいな人でなしは、香澄にも、香澄の子供の父親にもふさわしくない」
そんな言葉を次に言おうと、拓人は準備をしていた。
でも涼は言わなかった。その代わり、涼はこう、拓人に尋ねた。
「どうすればいい」
「は?」
「どうすれば、僕が香澄の側にいても良いと、お前は思うんだ?」
散々馬鹿にしてきた拓人に対して、自分の今後すべきことを尋ねるということは、涼にとって本来は屈辱的なことだ。
だが、その屈辱を乗り越えてでも、今の涼には手にしたいものがある。
それこそが、香澄だった。
「どうすればって……」
拓人は、本気で困惑した。
自分の目の前にいる男は、本当に自分が知っている芹沢涼なのだろうかと、疑った。
いっそ皮だけ本人で中身別人の宇宙人と言われる方が、よっぽど納得感がある。
それくらい、拓人にとっては衝撃的な体験だった。
「……適当に別れた女にちゃんと話しつけるとか?」
拓人が適当にそう言うと、涼はすぐにスマホで過去の女たちと連絡を取ろうとした。
「ちょっ、ちょっと待ちなさい!?正気!?」
拓人は知っている。
目の前の、人の皮を被った悪魔であるはずの人間は、自分なんかの言葉にちゃんと耳を傾けるはずはないということを。
そうであったはずなのだ。
だが、涼はちゃんと受け入れようとした。
そして行動しようとした。
それだけでも、天地がひっくり返るほどの大事件なのだ。少なくとも、拓人にとっては。
「あんた……本気で香澄とどうにかなりたいと、思ってるの?」
「当然だ」
その返答のスピードに、拓人は夢を見ているのではないかと思った。
女を落とすゲームばかりして、女に執着することがなかった鬼畜が、拓人が知る限り初めて、ちゃんと人に執着しているのだから。
「それで、僕が全員にちゃんと謝罪すればいいのか?」
「は?」
「だから、謝罪すれば香澄と僕の結婚を認めるのかと、聞いてるんだ」
「…………あんた、本当に芹沢涼なの?」
思わず拓人は、本人か尋ねてしまった。
しかも、名前を聞くだけでは心もとないので
「生年月日は?私が小学校入学した日にどんな悪戯をして次の日学校に行かせなくした?」
と、芹沢涼本人にしか分からない質問を次々に投げかけた。
その結果、涼はちゃんと全て答えることができた。一字一句間違えずに。
そんなやりとりが繰り返された最後、拓人は1つの結論を導いた。
「……明日、大災害がやってくるわ……」
芹沢涼という人間が、間違いなく変わった。
それが、たった1人、香澄という名の女性のために。
ようやく拓人がそれを認めようとしたその時だった。
「「香澄……?」」
階段を駆け降りる音が聞こえた。
それをする人間は、香澄しかいないから。
その音が聞こえてすぐ、リビングに香澄は息を荒くして飛び込んできた。
「お父さん!おばあちゃん!?」
と涙声で叫びながら。
そして、香澄の目の前にいたのが求めていた人物とは全く違ったからだろう。明らかにがっかりしたとわかる、悲しげな表情を浮かべた。