二次元の外には、予想外すぎる甘々懐妊が待っていました
「な、何よ……私はあなたの依頼人よ!!依頼人を馬鹿にする弁護士なんて聞いたことないわ!!」
「そうですね、僕が、あなたに僕に弁護の依頼をするように仕向けましたからね」
「……なんですって?」
「すべては、彼女のために、ですけど」
「彼女って……まさか……うちの香澄のことを言ってるの?」
「うちの、とあなたがいうのはやめてくれます?穢らわしい」
「はあ……!?」

 香澄の母親は、香澄を指差しながら鬼の形相で叫んだ。

「そこにいるグズは、私がわざわざ苦労して、産んでやったんだ!私にはそいつを殺す選択肢だってあったのに!だからそいつは、私が死ぬまでずっと私のものなんだよ!!どう使おうが関係ないじゃないか!!」

 その言葉に、香澄は耳を塞ぎたくなった。
 でも、香澄より先に、香澄の耳を塞いでくれたのもまた、涼だった。

「申し訳ありませんが、僕たちの赤ちゃんの胎教によくないので、汚い言葉は遠慮していただけます?」
「へえ……やっぱりあんた、体使ったわけか……」

 香澄の母親は、ゆらりと揺れながら、立ち上がった。

「このアバズレドブスの恥晒しがあ!!!」

 香澄の母親は、自分の鞄を両手で掴み、香澄に向かって投げつけようとした。
 涼が香澄を身を挺して守ろうとしたその時、入口からまた別の声が聞こえた。

「おいたは、そこまでにしてもらおうかしら」

 そこには、ばっちりメイクを施した拓人だった。
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