二次元の外には、予想外すぎる甘々懐妊が待っていました
「私……シナリオを書いてて……ゲームの……」
「そうですか」
男性は相槌を打ちながら、ぽんぽんと、香澄を落ち着かせるように香澄の頭を優しく撫でる。
肯定も否定もしないけれど、確かに自分の話を聞いてくれていると分かる男性の反応が、香澄には心地よかった。
香澄は、また一口カクテルを飲んだ。
このカクテルには実は、オリーブオイルが入っているのでは……と疑いたくなるくらい、香澄は今までにはないくらい、スラスラと言葉を話すことができた。
「私が書いてるのは……恋愛のゲームで……」
「うん」
「私、アニメとか……漫画とか……ゲームとか……そういう二次元の恋愛ものっていうのは、よく読んでて……好きで……」
「うん」
「それで……そういう二次元の恋愛って……テンプレなんですが……」
「テンプレって?」
この時、男性が初めて香澄の言葉に質問を投げかけてきた。
香澄は、男性が自分が放つ言葉に興味を持ってくれたことに嬉しくなった。
「私が作ってるゲームは、イケメン男性と普通の女の子が恋愛するゲームなんですけど」
「うん」
「普通の女の子は、周囲からいじめられるんですけど、イケメンの男性がその女の子の良さに気づいて愛してくれるっていうストーリーは、王道のテンプレって言われてますね……」
「そうなんだ。他には?」
「他、ですか?」
香澄は、男性が自分の話により興味を持ってくれたのが嬉しくて、またカクテルを一口飲んでから次々と話した。
不幸な女の子がお金持ちの男性にプロポーズされる話の、どういう部分がロマンチックなのか……とか。
ドSの男性が特定の女性にだけ溺愛する様子の何がギャップ萌えなのか……とか。
きっと普通の男性ならば、聞かされたところで「何がそんなに面白いのか」と怪訝な顔をされたことだろう。
けれども、香澄の横に腰掛け、香澄が話をする度に相槌を打つ男性は、香澄の話を馬鹿にするようなことも言わなかったし、時折
「興味深いね」
「面白い世界があるんだね」
と、肯定する意見もくれた。
香澄はそのおかげで、心の中にあった考えを、香澄が最も苦手な声という形でも心地よく話をすることができた。
そのせいだろうか。
「私は、恋愛は二次元を楽しむだけで十分だと思ってました」
初対面の人間にはきっとするべきではなかった、香澄の内面の話も始めてしまった。
「そうですか」
男性は相槌を打ちながら、ぽんぽんと、香澄を落ち着かせるように香澄の頭を優しく撫でる。
肯定も否定もしないけれど、確かに自分の話を聞いてくれていると分かる男性の反応が、香澄には心地よかった。
香澄は、また一口カクテルを飲んだ。
このカクテルには実は、オリーブオイルが入っているのでは……と疑いたくなるくらい、香澄は今までにはないくらい、スラスラと言葉を話すことができた。
「私が書いてるのは……恋愛のゲームで……」
「うん」
「私、アニメとか……漫画とか……ゲームとか……そういう二次元の恋愛ものっていうのは、よく読んでて……好きで……」
「うん」
「それで……そういう二次元の恋愛って……テンプレなんですが……」
「テンプレって?」
この時、男性が初めて香澄の言葉に質問を投げかけてきた。
香澄は、男性が自分が放つ言葉に興味を持ってくれたことに嬉しくなった。
「私が作ってるゲームは、イケメン男性と普通の女の子が恋愛するゲームなんですけど」
「うん」
「普通の女の子は、周囲からいじめられるんですけど、イケメンの男性がその女の子の良さに気づいて愛してくれるっていうストーリーは、王道のテンプレって言われてますね……」
「そうなんだ。他には?」
「他、ですか?」
香澄は、男性が自分の話により興味を持ってくれたのが嬉しくて、またカクテルを一口飲んでから次々と話した。
不幸な女の子がお金持ちの男性にプロポーズされる話の、どういう部分がロマンチックなのか……とか。
ドSの男性が特定の女性にだけ溺愛する様子の何がギャップ萌えなのか……とか。
きっと普通の男性ならば、聞かされたところで「何がそんなに面白いのか」と怪訝な顔をされたことだろう。
けれども、香澄の横に腰掛け、香澄が話をする度に相槌を打つ男性は、香澄の話を馬鹿にするようなことも言わなかったし、時折
「興味深いね」
「面白い世界があるんだね」
と、肯定する意見もくれた。
香澄はそのおかげで、心の中にあった考えを、香澄が最も苦手な声という形でも心地よく話をすることができた。
そのせいだろうか。
「私は、恋愛は二次元を楽しむだけで十分だと思ってました」
初対面の人間にはきっとするべきではなかった、香澄の内面の話も始めてしまった。