二次元の外には、予想外すぎる甘々懐妊が待っていました
 香澄はすぐに自分の発言に後悔した。
 リョウが、不可解な面持ちで香澄を見下ろしていたから。

「何言い出すの?急に」

 リョウは、香澄の髪の毛を掬いながら尋ねてきた。

「さっきの女性には、そうおっしゃってましたよね」
「女性?」

 いかにも心当たりがないと言いたげな表情で、リョウが答える。
 その様子に香澄は戸惑ったが

「ほら、レストランで……」

 と、補足情報を加えた。
 それにより、リョウはようやく心当たりを思い出したらしい。

「ああ、あれね……」

 リョウはクスッと馬鹿にするように微笑してから

「君も嗅いだだろう?人工的な香りがぷんぷん漂っている女は、僕の好みじゃないんだ」
「で、でも……あの人、綺麗な人だし……それに……」

(そんな風に否定する人と、どうしてあんなレストランで二人きりでいたのだろう)

 そんな疑問を口にしようとした時

「んんっ!?」

 リョウが香澄の質問をキスで堰き止めた。
 それも、舌を絡ませるような濃厚なもので。
 しばらくそうして、リョウは香澄の口内を溶かしてから、ゆっくりと離した。
 
「こんな時に、君の口から他の女の話なんか聞きたくはないかな」

 リョウは、今度は香澄の唇を突くような軽いキスをしながら言葉を直接香澄の唇に刻み込んでいく。

「他の女のこと、香澄は気になる?」
「え?」

 突然の問いかけに、香澄は戸惑った。
 気になる、気にならないの2択しか許されないのだろうか?

「そうじゃないんです。ただ、分からなくて……」

 香澄は何度リョウが否定したとしても、自分にお酒をかけた女性の方が客観的に見てリョウにはふさわしいと思ってしまっていたのだ。
 リョウは香澄の耳元にキスを落とした後、くんっと香澄の匂いを嗅ぎ始めた。
「何して……!?」
「君の体からはね、果物のようなみずみずしい香りがするんだ」
「え?」

(果物……?)
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