二次元の外には、予想外すぎる甘々懐妊が待っていました
「香澄ー!!」
「はっはいぃー!!」
「あんたって子は!どうしてそんなお馬鹿さんなの!!!」
「だっ……だって…………」
「だってもクソもない!!私はあなたを、そんな非常識で薄情者に育てた覚えは〜ありません!!」

(育てられてないし)

 夢の一夜を過ごしてから数時間後、香澄は散らかった自宅の部屋のノートPC前に正座をしながら、八島からの説教をよれよれのジャージを身につけ、化粧を落としたすっぴん顔で受け止めていた。
 そして絶賛二日酔い中でもある。
 ちなみに……もちろんZOOMを使用しており、顔出しもいつものように断固拒否。

「あーもう!今あんたの顔が目の前にあったら、思いっきりつねってやりたいわ〜!!!」

(良かった、リモートで)

「今あなた、リモートで良かったとか思ってないでしょうね」
「ま、まさか……ははは」

(すみません、思ってました)

「いい、香澄ちゃん。……よーく聞きなさい」
「はい……」
「普通はね、男が会計中に、置き手紙と有金全部をロビーの椅子に置いて逃げるなんて所業はね、しないの。わかる?」
「……はい……」

(そんなこと言われても……)

「どうして、その人が会計から戻ってくるの、待てなかったかなぁ……」
「だっ、だって……」

 香澄は、身体中から魂が抜け出るんじゃないかと思うほど、深くて長〜いため息をついた。
 どう説明すれば、尊敬している先輩に自分の行動の理由を分かってもらえるのだろうかと、真剣に考えながら。
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