二次元の外には、予想外すぎる甘々懐妊が待っていました
「っ!?」

 慌てた香澄は、カフェオレのカップを落としそうになった。
 しかし、それに気づいたリョウは、咄嗟にカップごと香澄の手を抑えた。
 
「気をつけて、火傷してしまうよ」
「そ、そそそんなこと言うなら」

 急にそんなことしないでください、と言いたかった香澄だったが、うまく言葉に乗らなかったので代わりにカフェオレを一気に飲み干し、そしてむせた。

「ほら、慌てて飲むから」

 リョウは、香澄の唇にかすかに残ったカフェオレの雫を自分の親指でぬぐった。
 その指の動きを、香澄はなんとなく目で追っていると、リョウはその親指をペロリと舐めた。

「っ……!!!」

 その舌を見て、香澄は思い出してしまった。
 自分の体がその舌でどれだけ愛されたのか、を。

「ん。美味しいね」
「なっ……!!」

 リョウは、香澄の反応を見て、ニヤリと見ながら

「ここのカフェオレ」

 と、後出ししてきた。
 香澄は、自分の顔から火が吹き出しそうになるかと思った。

「そうだ、香澄。そろそろシャワー浴びて」
「え?」
「あと1時間で出ないといけないから」


 そう言われて、香澄も部屋にある高級そうな時計を見た。

(も、もうこんな時間……!?)

 いつもなら、とっくに汚い部屋で目が覚めて、PCに向き合っている時間になっていた。

「す、すみません……!!バスルームお借りします!」

 とにかく、早くシャワー浴びて着替えなくては。
 ただその一心で、香澄は急いでバスルームに駆け込み、バスローブを脱ぎ捨てた。
 そして、香澄は目にしてしまった。
 自分の決して美しくもない裸体と、そこに咲きまくった薔薇の花びらのような跡を。
 その花びらが、自分には決してふさわしくない異物でしかないと、香澄は苦しくなった。
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