二次元の外には、予想外すぎる甘々懐妊が待っていました
「……普通一晩で5回っていうのも、あり得ない数ではあるんだけど……」

 5という数字が妙にリアルで、香澄はますます恥ずかしくなった。

「香澄ちゃんは、小学生と一緒に性教育やり直しなさい」
「そ、そんなに私酷いんですか」
「酷すぎる」

 バッサリ即答で切られて、香澄はガクッと落ち込んだ。

「まあ、もう今更過ぎたことはしょうがないわね」
「そ、そうそう。それに妊娠してるとも限らないし」
「開き直らない、バかすみ」
「すみません……」
「それにしても……リョウって人、仕事は一体何をしているのかしら?」
「え?」
「スイート予約できるってことはよ?相当な資産家よね。名刺は?貰ってないの」

 香澄は、もう1つの忘れていたことがそれだったことを思い出した。
 せめて名刺や肩書きさえ分かれば、今後のシナリオでのキャラ作りの資料にできたかもしれないのに、と八島に言われて後悔した。

「あんたねぇ……!大胆になるにしても極端すぎ!!」

 再び、八島からの雷が落ちた。

「あーもうやっぱり私がついて行けばよかった……」
「そんなこと、今更言わないでくださいよ!」

 香澄の方こそ、八島がついてきてくれたら、あんな怖い思いしなくて済んだのに、と恨み節で返した。

「……で、どうだった」

 八島は、急に声のトーンを明るめにしてきた。

「何がですか?」
「決まってるでしょ!ベッドの術よ!」
「っ!?」
「だって、その男言ったんでしょ?二次元じゃできないことを経験させてくれるって!普通の男じゃ、そんなこと絶対言えないわよ〜失敗した時に恥ずかしくなっちゃうから」

 ああいう行為に失敗とかあるのか、と香澄は初めて知った。
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