二次元の外には、予想外すぎる甘々懐妊が待っていました
香澄の記憶が曖昧……どころか、ほぼ皆無なのは、まさに1日目の夜から2日目の朝。
何時頃睡魔に勝てなかったのかは、もう記憶を遡っても分からない。
でも、香澄が何をしていたのか、の記録は残してある。
香澄は、急いで自分が使用しているGoogle ドライブのアプリを開き、「合宿」と書かれたフォルダを開いた。
その中には、この合宿で学んだ内容が数多く詰め込まれている。
映画の感想。
シチュエーション違いのシナリオ書き起こし。
こんなに1日で書いて書いて書きまくった日はないのではないだろうか、と言いたくなる程、文字数もファイル数も膨大だった。
正直、大学の卒論よりずっと文字数は多い。
けれど、大学の卒論よりもずっとずっと、楽しかった。
(確か……これだ……)
香澄は、緑色のアイコンで保存されているスプレッドシートを見つけた。
つけられた名前は「萌えシチュリスト」。
(…………もっといいセンスの名前はつけられなかったのだろうか)
普段の香澄なら、絶対につけないようなタイトルだったのでなおさら。
何故なら、香澄が本来タイトルをつける時は「日付_案件名_初稿」という形で、一目で何のファイルなのかわかるようにしていたから。
少しでもミスを減らしたい、慎重家な香澄だからこそ見つけた、ミスを減らすためのルール。
それを逸脱することは、香澄の心の平穏が失われることにも繋がる。
だからこその、香澄のルール外でなされたタイトル付に香澄は軽く動揺した。
(そう言えば、このファイル私ずっと見ていなかった……)
香澄にとっては、この合宿の効果は本当に凄まじかった。
インプットとアウトプット。
その繰り返しが体に癖として染み付いた。
その弊害として起きたのが
「リアリティがない」
「作り物」
という指摘をディレクターからされてしまったことと、過去のインプット情報を振り返る時間をほとんど取れなかったこと。
香澄は、恐る恐るタップをして、スプレッドシートを開く。
スマホでスプレッドシートのデータを見るのはあまり好きではない香澄だったが、中身を確認するには十分だった。
(うわぁあああ、この日の私……どうにかしてたんじゃないのか……?)
そこに書かれていたのは、とても恋愛初心者には書けないような、ドキドキするシチュエーションばかり。
例えば、高層マンションの中にある住民しか入れない特別なバーでの一夜とか。
離島のプール付きコテージで、水着がはだける寸前の状態での濃厚なキスシーンとか。
(待って!?これ、本当に私が書いたの!?)
香澄は、とても自分が打ち込んだとは思えない濃厚シチュエーションばかりの文字データに目を白黒させながら、一通り目を通した。
そして、最後に見つけてしまった。
苺が入ったシャンパン味のファーストキス。
シンデレラの靴で作るカクテル。
スイートルームで夜景を見ながらソファで抱きしめられる。
(待って?ねえ待って、これちょっと待って)
どこかで見たことある、なんてレベルじゃない。
確実に知っている。
このシチュエーションを。
香澄は、恐る恐る顔を上げる。
涼がしっかりと香澄の目を見ながら、含みのある笑みをした。
それから、そっと耳たぶに唇をくっつけながら
「僕は、君のご期待に応えられましたか? お姫様」
と囁いた。
息が、香澄の耳を支配した。
何時頃睡魔に勝てなかったのかは、もう記憶を遡っても分からない。
でも、香澄が何をしていたのか、の記録は残してある。
香澄は、急いで自分が使用しているGoogle ドライブのアプリを開き、「合宿」と書かれたフォルダを開いた。
その中には、この合宿で学んだ内容が数多く詰め込まれている。
映画の感想。
シチュエーション違いのシナリオ書き起こし。
こんなに1日で書いて書いて書きまくった日はないのではないだろうか、と言いたくなる程、文字数もファイル数も膨大だった。
正直、大学の卒論よりずっと文字数は多い。
けれど、大学の卒論よりもずっとずっと、楽しかった。
(確か……これだ……)
香澄は、緑色のアイコンで保存されているスプレッドシートを見つけた。
つけられた名前は「萌えシチュリスト」。
(…………もっといいセンスの名前はつけられなかったのだろうか)
普段の香澄なら、絶対につけないようなタイトルだったのでなおさら。
何故なら、香澄が本来タイトルをつける時は「日付_案件名_初稿」という形で、一目で何のファイルなのかわかるようにしていたから。
少しでもミスを減らしたい、慎重家な香澄だからこそ見つけた、ミスを減らすためのルール。
それを逸脱することは、香澄の心の平穏が失われることにも繋がる。
だからこその、香澄のルール外でなされたタイトル付に香澄は軽く動揺した。
(そう言えば、このファイル私ずっと見ていなかった……)
香澄にとっては、この合宿の効果は本当に凄まじかった。
インプットとアウトプット。
その繰り返しが体に癖として染み付いた。
その弊害として起きたのが
「リアリティがない」
「作り物」
という指摘をディレクターからされてしまったことと、過去のインプット情報を振り返る時間をほとんど取れなかったこと。
香澄は、恐る恐るタップをして、スプレッドシートを開く。
スマホでスプレッドシートのデータを見るのはあまり好きではない香澄だったが、中身を確認するには十分だった。
(うわぁあああ、この日の私……どうにかしてたんじゃないのか……?)
そこに書かれていたのは、とても恋愛初心者には書けないような、ドキドキするシチュエーションばかり。
例えば、高層マンションの中にある住民しか入れない特別なバーでの一夜とか。
離島のプール付きコテージで、水着がはだける寸前の状態での濃厚なキスシーンとか。
(待って!?これ、本当に私が書いたの!?)
香澄は、とても自分が打ち込んだとは思えない濃厚シチュエーションばかりの文字データに目を白黒させながら、一通り目を通した。
そして、最後に見つけてしまった。
苺が入ったシャンパン味のファーストキス。
シンデレラの靴で作るカクテル。
スイートルームで夜景を見ながらソファで抱きしめられる。
(待って?ねえ待って、これちょっと待って)
どこかで見たことある、なんてレベルじゃない。
確実に知っている。
このシチュエーションを。
香澄は、恐る恐る顔を上げる。
涼がしっかりと香澄の目を見ながら、含みのある笑みをした。
それから、そっと耳たぶに唇をくっつけながら
「僕は、君のご期待に応えられましたか? お姫様」
と囁いた。
息が、香澄の耳を支配した。