90日のシンデレラ
カマリとは、鎌田茉莉のことである。その鎌田とは、真紘の案内役を務めた総務部スタッフのあの鎌田女史だ。
この鎌田女史、実は瑠樹の母親の友人の娘で、瑠樹の幼馴染相当になる。幼馴染相当とは、瑠樹と鎌田女史の触れ合いは非常に幼い時期の極めて短期間だけだったので、ふたりとも成長とともにすっかり相手のことは忘れていたから。
思い出すきっかけとなったのは、鎌田女史の本社異動である。ある日の晩餐で母親がそれを話題にあげてはじめて、瑠樹は幼い日の茉莉のことを思い出したのである。
カマリとは幼いときにちょっと遊んだことがあった――社会人となって再会すれば、お互い「そんなこともあったみたいね~」ぐらいの認識である。そんな所以で、鎌田女史は瑠樹にツッコミができる数少ない同僚というポジションになっている。社長令息であり、子会社副社長でもある瑠樹にとって、鎌田女史は腹を割って話すことのできる貴重な社員だ。
そんな彼女だから、真紘の書いた苦情ともいえるレポートを他の誰よりも先に瑠樹へみせたのだった。
(あのレポートをみてみれば、感情のままに書きなぐったような文面だった。よほど業務で支障をきたしているんだなと思ったし、こんなことは氷山の一角かもしれないと気になった)
(気になったので、どんなヤツが書いているのかと確かめたら、椎名真紘というヤツだ)
(はじめは、田舎社員の出来の悪い男がほざいているのかと思ったんだよな~)
そう、真紘の名前を「まひろ」でなく「まさひろ」と瑠樹は読み間違えていた。さらにそこから、性別も女性でなく男性と思い込んでもいた。
もう瑠樹の中では、「本社の方針やシステムにケチをつける男は、どんな面をしているのか?」である。
件の椎名を呼び立てて、問い質して、問題なければその場で叱咤してやる。以後、業務に励めで終わりにする予定であった。
この鎌田女史、実は瑠樹の母親の友人の娘で、瑠樹の幼馴染相当になる。幼馴染相当とは、瑠樹と鎌田女史の触れ合いは非常に幼い時期の極めて短期間だけだったので、ふたりとも成長とともにすっかり相手のことは忘れていたから。
思い出すきっかけとなったのは、鎌田女史の本社異動である。ある日の晩餐で母親がそれを話題にあげてはじめて、瑠樹は幼い日の茉莉のことを思い出したのである。
カマリとは幼いときにちょっと遊んだことがあった――社会人となって再会すれば、お互い「そんなこともあったみたいね~」ぐらいの認識である。そんな所以で、鎌田女史は瑠樹にツッコミができる数少ない同僚というポジションになっている。社長令息であり、子会社副社長でもある瑠樹にとって、鎌田女史は腹を割って話すことのできる貴重な社員だ。
そんな彼女だから、真紘の書いた苦情ともいえるレポートを他の誰よりも先に瑠樹へみせたのだった。
(あのレポートをみてみれば、感情のままに書きなぐったような文面だった。よほど業務で支障をきたしているんだなと思ったし、こんなことは氷山の一角かもしれないと気になった)
(気になったので、どんなヤツが書いているのかと確かめたら、椎名真紘というヤツだ)
(はじめは、田舎社員の出来の悪い男がほざいているのかと思ったんだよな~)
そう、真紘の名前を「まひろ」でなく「まさひろ」と瑠樹は読み間違えていた。さらにそこから、性別も女性でなく男性と思い込んでもいた。
もう瑠樹の中では、「本社の方針やシステムにケチをつける男は、どんな面をしているのか?」である。
件の椎名を呼び立てて、問い質して、問題なければその場で叱咤してやる。以後、業務に励めで終わりにする予定であった。