90日のシンデレラ
***
かくして、瑠樹の厨房がはじまる。真紘は瑠樹のアシスタントだ。
あさりは、冷凍ものしかなかった。流水で解凍しながら、瑠樹は貝殻をこすり合わせて洗っていく。
大きな手があさりをがさりと掴んで作業をする様は、なんだか珍しいものをみているような気がする。瑠樹の横でネギを切りながら、真紘は盗み見して思う。
社宅のキッチンは家族用だから、ふたりで並んで立っても余裕の広さだ。瑠樹との間に適度な距離感があって、変に緊張しなくていい。
コンロでは鍋に湯が沸いていて、パスタの投入を待っている。瑠樹にいわれるがままに真紘は三人前のパスタを熱湯に入れて、一度後ろに下がった。
ダイニングテーブルについて、真紘は瑠樹のうしろ姿を眺めていた。
気が向いたときに料理をするというだけあって、瑠樹はとても手際がいい。流れるような手つきといい、無駄のない動作といい、ここにイケメンであるということも加わって、とても絵になっている。芸能人の料理番組をみているよう。
惚れ惚れとしながら、ただ黙って真紘は見守っていた。
そんな真紘の視線など気にせず、鼻歌交じりで瑠樹は調理する。
フライパンにオリーブオイルを入れ、じっくりとガーリックを炒める。ここでも瑠樹の大きな手は、頼もしい。
火が通るにつれてガーリックのいい香りがしてくる。
ここにさっき真紘が切ったばかりのネギの斜め切りを加えて軽く炒め、さらに洗ったあさりを並べていく。そして白ワインを回し入れて、蓋をした。ここまですべて、瑠樹の目分量だ。
「そろそろいいかな~」
誰に訊くともなく瑠樹がいう。あさりが蒸し上がるまでの間、彼は次の準備としてパスタを湯から上げた。
かくして、瑠樹の厨房がはじまる。真紘は瑠樹のアシスタントだ。
あさりは、冷凍ものしかなかった。流水で解凍しながら、瑠樹は貝殻をこすり合わせて洗っていく。
大きな手があさりをがさりと掴んで作業をする様は、なんだか珍しいものをみているような気がする。瑠樹の横でネギを切りながら、真紘は盗み見して思う。
社宅のキッチンは家族用だから、ふたりで並んで立っても余裕の広さだ。瑠樹との間に適度な距離感があって、変に緊張しなくていい。
コンロでは鍋に湯が沸いていて、パスタの投入を待っている。瑠樹にいわれるがままに真紘は三人前のパスタを熱湯に入れて、一度後ろに下がった。
ダイニングテーブルについて、真紘は瑠樹のうしろ姿を眺めていた。
気が向いたときに料理をするというだけあって、瑠樹はとても手際がいい。流れるような手つきといい、無駄のない動作といい、ここにイケメンであるということも加わって、とても絵になっている。芸能人の料理番組をみているよう。
惚れ惚れとしながら、ただ黙って真紘は見守っていた。
そんな真紘の視線など気にせず、鼻歌交じりで瑠樹は調理する。
フライパンにオリーブオイルを入れ、じっくりとガーリックを炒める。ここでも瑠樹の大きな手は、頼もしい。
火が通るにつれてガーリックのいい香りがしてくる。
ここにさっき真紘が切ったばかりのネギの斜め切りを加えて軽く炒め、さらに洗ったあさりを並べていく。そして白ワインを回し入れて、蓋をした。ここまですべて、瑠樹の目分量だ。
「そろそろいいかな~」
誰に訊くともなく瑠樹がいう。あさりが蒸し上がるまでの間、彼は次の準備としてパスタを湯から上げた。