90日のシンデレラ
メインディッシュは、スパゲッティ・ボンゴレ。シェフ瑠樹の手料理だ。サイド・ディッシュには真紘の手料理が……といきたいところだが、ここは簡単にスーパーの総菜サラダである。ドレッシングは、それぞれが好みのものを一食分のパウチを購入してきた。
食器は真紘が社宅生活をはじめた際にとりあえず用意したもの。大皿が一枚しかなかったので、フライパンごとテーブルの中央に運び、そこから小皿に取り分けるシェアスタイルにした。いわずのものがな、サラダは食器に移し替えることなく総菜のプラスチックパックのままだ。
そんな最初の夕食で、唯一の揃いのものはグラスである。もちろんワイングラスではなく真紘が普段使ってもいれば、また瑠樹がフルーツジュースを飲んでいたあのグラスである。
そのグラスに瑠樹はパスタに使った白ワインを注いだ。そうその白ワインは、料理酒としてではなくワインそのものも楽しむために、ミニボトルをやめてフルボトルの棚から瑠樹が選別したのだ。
一方で真紘はぶどうの缶酎ハイである。瑠樹に合わせて、缶のままでなく行儀よくグラスに移す。
テーブルには、淡いゴールドのグラスと赤紫のグラスができあがった。
「では、乾杯」
ワイングラスでないから、杯をあわせても澄んだ音は出ない。ゴツンという感じの鈍い音。でも今日が、初デートの夕食でお祝いであることには変わりない。
「今度、食器を買いにいこう」
フライパンから小皿にパスタをとりわけながら、瑠樹がいう。
食器は真紘が社宅生活をはじめた際にとりあえず用意したもの。大皿が一枚しかなかったので、フライパンごとテーブルの中央に運び、そこから小皿に取り分けるシェアスタイルにした。いわずのものがな、サラダは食器に移し替えることなく総菜のプラスチックパックのままだ。
そんな最初の夕食で、唯一の揃いのものはグラスである。もちろんワイングラスではなく真紘が普段使ってもいれば、また瑠樹がフルーツジュースを飲んでいたあのグラスである。
そのグラスに瑠樹はパスタに使った白ワインを注いだ。そうその白ワインは、料理酒としてではなくワインそのものも楽しむために、ミニボトルをやめてフルボトルの棚から瑠樹が選別したのだ。
一方で真紘はぶどうの缶酎ハイである。瑠樹に合わせて、缶のままでなく行儀よくグラスに移す。
テーブルには、淡いゴールドのグラスと赤紫のグラスができあがった。
「では、乾杯」
ワイングラスでないから、杯をあわせても澄んだ音は出ない。ゴツンという感じの鈍い音。でも今日が、初デートの夕食でお祝いであることには変わりない。
「今度、食器を買いにいこう」
フライパンから小皿にパスタをとりわけながら、瑠樹がいう。