90日のシンデレラ
「やっぱり育休関係じゃない。一番最近の休暇取得者であれば、説得力あるし。うまくいって、社内託児所ができるといいんだけどなぁ~」
「あの……もしかして、大村さん、結婚が近いんですか?」
働く女性のライフステージの前方を見据えるような発言をする大村に、何気に真紘は訊いてみた。
真紘の場合、瑠樹のこととは別にして、つい先日までフリーであったから、結婚のことやその先のことを具体的に考えたことがなかった。
「やだ、椎名さん! 深読みしすぎ! まだまだカレシ募集中よ」
「あ、ごめんなさい。育休のことを熱心に語るから、そうなのかなって思っちゃった」
「いいよ、いいよ。子供は嫌いじゃないから結婚したら欲しいんだけど、まだ仕事を頑張りたいしね~。欲張りなのよ、わたし」
ここでもにぎやかに大村は笑い飛ばす。底抜けの彼女の明るさに、真紘も気持ちが愉快になるのであった。
「さてと……」
本来の買い物を済ませて借り上げマンションに戻れば、そこは朝出勤に出たときのままである。
玄関三和土には瑠樹の靴が増えていることもなく、洗面所の洗濯機に知らない洗濯物が詰め込まれていることもなく、平和な平日の社宅があった。
(大村さんとの接点がなくなってしまうのはちょっと寂しいけど、ここは前向きに考えて、本社でのいい思い出ができたとする)
(で、私のコンペはどうだったのかしら?)
リビングダイニングに直行して、鞄からノートPCを取り出す。ドキドキしながら、PCを立ち上げる。社内メールアドレスの受信箱に、真紘にも業務改善コンペの結果が届いていた。
「あ、通ってる」
三回目になるその通達には、引き続きプロセスを進めるようにとある。
送信日時をみれば、昨日の日曜日である。瑠樹からのレポートが戻ってきたのは、木曜だ。その木曜から今日の週明け月曜日まで、真紘はレポート提出していない。
「これってさぁ~」
「あの……もしかして、大村さん、結婚が近いんですか?」
働く女性のライフステージの前方を見据えるような発言をする大村に、何気に真紘は訊いてみた。
真紘の場合、瑠樹のこととは別にして、つい先日までフリーであったから、結婚のことやその先のことを具体的に考えたことがなかった。
「やだ、椎名さん! 深読みしすぎ! まだまだカレシ募集中よ」
「あ、ごめんなさい。育休のことを熱心に語るから、そうなのかなって思っちゃった」
「いいよ、いいよ。子供は嫌いじゃないから結婚したら欲しいんだけど、まだ仕事を頑張りたいしね~。欲張りなのよ、わたし」
ここでもにぎやかに大村は笑い飛ばす。底抜けの彼女の明るさに、真紘も気持ちが愉快になるのであった。
「さてと……」
本来の買い物を済ませて借り上げマンションに戻れば、そこは朝出勤に出たときのままである。
玄関三和土には瑠樹の靴が増えていることもなく、洗面所の洗濯機に知らない洗濯物が詰め込まれていることもなく、平和な平日の社宅があった。
(大村さんとの接点がなくなってしまうのはちょっと寂しいけど、ここは前向きに考えて、本社でのいい思い出ができたとする)
(で、私のコンペはどうだったのかしら?)
リビングダイニングに直行して、鞄からノートPCを取り出す。ドキドキしながら、PCを立ち上げる。社内メールアドレスの受信箱に、真紘にも業務改善コンペの結果が届いていた。
「あ、通ってる」
三回目になるその通達には、引き続きプロセスを進めるようにとある。
送信日時をみれば、昨日の日曜日である。瑠樹からのレポートが戻ってきたのは、木曜だ。その木曜から今日の週明け月曜日まで、真紘はレポート提出していない。
「これってさぁ~」