90日のシンデレラ
寝込みを襲われた!
真紘の第一声は、それ。第一声といっても、それは心の中の声でしかないが。
その問題の瑠樹は、真紘の隣でぐっすりと眠っている。あたかもそれが決まりきった日常のひとコマかのように。
(え、え)
(どうしよう)
後ろから真紘を抱く瑠樹の腕は強固で、そこから脱出しようとしてもびくともしない。そうそれは、幼き子供がお気に入りのぬいぐるみを肩身離さず抱いているかのような執着である。
(マジで、どうしよう)
(まだ起きていないのなら、わたしもこのまま寝たふりをしているべき?)
(そう、そうよ! 何も気がつかなかったとして、私も寝てしまえばいいんだ!)
変に動いて瑠樹が目を覚ますようなことになれば、事が大きくなってしまう。なにも眠る獅子を起こすことはない。容易にそう結論付いた。
そうと決めてしまえば、真紘は極力寝たふりをする。体をそっと元の状態に横たえて、動きを止めた。
寝たふりをする――人間、力んでしまうと却ってギクシャクしてしまうもの。そう、真紘もそうだった。しかもそのレベル、わかりやすいくらいに。
「真紘、じっとする。ゴソゴソしない」
耳元で、そんな注意がささやかれる。その声に、寝ているはずの真紘の体がピーンと硬直した。
「起きていたんですか?」
腰回りをバックハグされたまま、背後の瑠樹に真紘は問うた。あたふたと真紘なりに考えて実行したのに、寝たふりなど何も効果がなかった。
真紘の第一声は、それ。第一声といっても、それは心の中の声でしかないが。
その問題の瑠樹は、真紘の隣でぐっすりと眠っている。あたかもそれが決まりきった日常のひとコマかのように。
(え、え)
(どうしよう)
後ろから真紘を抱く瑠樹の腕は強固で、そこから脱出しようとしてもびくともしない。そうそれは、幼き子供がお気に入りのぬいぐるみを肩身離さず抱いているかのような執着である。
(マジで、どうしよう)
(まだ起きていないのなら、わたしもこのまま寝たふりをしているべき?)
(そう、そうよ! 何も気がつかなかったとして、私も寝てしまえばいいんだ!)
変に動いて瑠樹が目を覚ますようなことになれば、事が大きくなってしまう。なにも眠る獅子を起こすことはない。容易にそう結論付いた。
そうと決めてしまえば、真紘は極力寝たふりをする。体をそっと元の状態に横たえて、動きを止めた。
寝たふりをする――人間、力んでしまうと却ってギクシャクしてしまうもの。そう、真紘もそうだった。しかもそのレベル、わかりやすいくらいに。
「真紘、じっとする。ゴソゴソしない」
耳元で、そんな注意がささやかれる。その声に、寝ているはずの真紘の体がピーンと硬直した。
「起きていたんですか?」
腰回りをバックハグされたまま、背後の瑠樹に真紘は問うた。あたふたと真紘なりに考えて実行したのに、寝たふりなど何も効果がなかった。