90日のシンデレラ
「あれ? 青くない」
いざ、例のブルーツリーの根元にたどり着き、下から見上げて思わず真紘は声が出てしまった。
「どうした?」
「いえ、ブルーツリーって、昼間は青くないんだと……」
「ああ、あれはライトニングだから。七夕のイベントに合わせての演出だ」
そう瑠樹は説明する。
夜の高速道路からみたあのツリーの青色は、イルミネーションだろうと予想がついていた。でも、実物も葉や枝の色は青い色素の多い樹木に違いないと、なんとなく真紘は期待していたのだった。
それに、あれは何メートルにもなる大きな大きな木だったと思ったら、実物は「まぁまぁ大きな木」である。ビルの谷間にあれば、ビルのガラスにブルーライトが反射して、実際より大きくみえたらしい。
昼の姿を知って、夜の幻想から覚めた気分になったのだった。
「思っていたのと違って、残念だった?」
「う、うん。まぁ、ちょっと。でも、よく考えれば、そうよね。ここは東京だし。植樹するにも限界があると思う」
「見方によって違う、の一例だな」
見方によって違う――何と比較するか、どの位置から眺めるかで印象は変わる。
それはごくごく当たり前のことだけど、うっかり忘れてしまうことでもある。
「真紘、この上でモーニングにしようと思うけど、いい?」
そういえば、不意打ちで起こされて、わざわざ電車を乗り継いでここまできた。朝食はグラス一杯のぶどうジュースだけで。
瑠樹が急いだ理由は、モーニングの時間。早くいかないと席もなくなれば、タイムアウトになる。
瑠樹に同意して、エレベーターに乗り込んだ。
いざ、例のブルーツリーの根元にたどり着き、下から見上げて思わず真紘は声が出てしまった。
「どうした?」
「いえ、ブルーツリーって、昼間は青くないんだと……」
「ああ、あれはライトニングだから。七夕のイベントに合わせての演出だ」
そう瑠樹は説明する。
夜の高速道路からみたあのツリーの青色は、イルミネーションだろうと予想がついていた。でも、実物も葉や枝の色は青い色素の多い樹木に違いないと、なんとなく真紘は期待していたのだった。
それに、あれは何メートルにもなる大きな大きな木だったと思ったら、実物は「まぁまぁ大きな木」である。ビルの谷間にあれば、ビルのガラスにブルーライトが反射して、実際より大きくみえたらしい。
昼の姿を知って、夜の幻想から覚めた気分になったのだった。
「思っていたのと違って、残念だった?」
「う、うん。まぁ、ちょっと。でも、よく考えれば、そうよね。ここは東京だし。植樹するにも限界があると思う」
「見方によって違う、の一例だな」
見方によって違う――何と比較するか、どの位置から眺めるかで印象は変わる。
それはごくごく当たり前のことだけど、うっかり忘れてしまうことでもある。
「真紘、この上でモーニングにしようと思うけど、いい?」
そういえば、不意打ちで起こされて、わざわざ電車を乗り継いでここまできた。朝食はグラス一杯のぶどうジュースだけで。
瑠樹が急いだ理由は、モーニングの時間。早くいかないと席もなくなれば、タイムアウトになる。
瑠樹に同意して、エレベーターに乗り込んだ。