90日のシンデレラ
「では、引き続き懇親会を行います。ここからの参加は任意となります。ご都合がよろしければ、是非お集まりくださいますようお願い申し上げます」
司会席から鎌田女史が案内する。
約三ヶ月の研修を労って、総務部は慰労会を用意していた。これは、本社関係者と研修者だけでなく研修者同士のための簡単なお別れ会である。
事前に知らされていたけれど、真紘は懇親会を欠席することにした。引っ越しの準備があるからだ。遠方からやってきた研修者は真紘以外にも何人かいて、大体が本日の夕方の便で地元へ戻るという。ご都合がよろしければ、とはそういう意味である。
鎌田女史のアナウンスを受けて、バラバラとメンバーが立ち上がり解散していく。真紘も同じように席を立った。
大会議室を横切り、外廊下に続く扉の前で真紘は後ろを振り返った。スタッフ席に着席したままの瑠樹が、目の端に映った。
視界の端の瑠樹は、総務部スタッフと談笑している。研修者もそうなのだが、裏方の総務部だって一仕事終えて、やれやれだという雰囲気だ。
そのグループの中で、瑠樹は特に真紘のほうへ視線を向ける様子はない。それを認めて真紘は早々に帰路についた。
この帰り道も今日で最後なんだと、急展開した自分の周りのことを真紘はぼんやり思い返した。
†††
四次選考を落ちた次の日に、真紘はマダム山形の元を訪れた。企画開発研修が長引いて定時過ぎにお伺いしたのだが、コンペ室に彼女はいた。他には誰もいない。
司会席から鎌田女史が案内する。
約三ヶ月の研修を労って、総務部は慰労会を用意していた。これは、本社関係者と研修者だけでなく研修者同士のための簡単なお別れ会である。
事前に知らされていたけれど、真紘は懇親会を欠席することにした。引っ越しの準備があるからだ。遠方からやってきた研修者は真紘以外にも何人かいて、大体が本日の夕方の便で地元へ戻るという。ご都合がよろしければ、とはそういう意味である。
鎌田女史のアナウンスを受けて、バラバラとメンバーが立ち上がり解散していく。真紘も同じように席を立った。
大会議室を横切り、外廊下に続く扉の前で真紘は後ろを振り返った。スタッフ席に着席したままの瑠樹が、目の端に映った。
視界の端の瑠樹は、総務部スタッフと談笑している。研修者もそうなのだが、裏方の総務部だって一仕事終えて、やれやれだという雰囲気だ。
そのグループの中で、瑠樹は特に真紘のほうへ視線を向ける様子はない。それを認めて真紘は早々に帰路についた。
この帰り道も今日で最後なんだと、急展開した自分の周りのことを真紘はぼんやり思い返した。
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四次選考を落ちた次の日に、真紘はマダム山形の元を訪れた。企画開発研修が長引いて定時過ぎにお伺いしたのだが、コンペ室に彼女はいた。他には誰もいない。