90日のシンデレラ
 盆休み返上で、一日だけといったのに結局三日になったのだが、主任の仕事を片付けていく。
 主任の業務を肩代わりしていくうちに、真紘は気づく。どうも二度手間のような作業が多いと。これらをデジタル化してしまえば、ぐっと業務工程を減らすことができるのではと。

 (うちみたいな小さいところほど、試してみる価値はあるんじゃない?)
 (クラウドを使うにしたって、容量はそこまで大きくないだろうからレンタル代だってそう高くないと思う)
 (提案してみようかな。でないと、いつまでもこんなこと続けてられないわよね)

 盆休みの間の追い上げで、主任の残した業務はすべて終わった。今がちょうど変わり目である。新しいことを提案するにはいい時期かもしれない。
 残業時間も減ってきたし、一日の終わりでも真紘に自宅で提案書を作成する気力も残っている。本社研修で学んだことを生かして、真紘は業務の一部デジタル化の提案書を作成した。
 数日後、真紘は出来上がった提案書を課長に提出した。
 彼はひと目見て「すごいな。次の会議で取り上げてみるよ」と快くいう。

 (あれ?)
 (思ったより柔軟じゃん。主任も声に出していれば、あんな状態にはならなかったのかもしれない)

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