90日のシンデレラ
瑠樹とのはじまりは、彼の間借り申し入れだった。それは、エレベーター内でのことだった。あのときは真紘が「うん」というまで、彼は真紘を解放しなかった。根負けして真紘は瑠樹の間借りのことを認めたのだった。
今は、あのときのエレベーターボックスがクーペに変わっているだけなのではないか?
真紘の身柄は、瑠樹の意志ひとつにかかっている。同じ状況下に置かれていることに、気が付いた。
「あの~、確認したいのですが……」
おそるおそる真紘は切り出した。もう高速道路に乗ってしまったから、下りることはできない。このまま瑠樹と同乗するのなら、この先のことを、もっと詳しいあれこれを知る権利が真紘にはあるはずだ。
「どうぞ」
涼やかに瑠樹はいう。その声はごくごく普通。特に嫌がっている様子はない。これも、付き合っていたときと何ひとつ変わらない瑠樹である。真紘は錯覚してしまいそうだ。
だからまずはこう、訊いた。
「私って、まだ瑠樹さんカノジョなんですか?」
「まだ?」
瑠樹の声が裏返った。
(!)
(あれ? 変なこと、いっちゃった?)
(でも、ずっと無視していたじゃない)
「心外だな、そういうふうにいわれるのは」
少しふてくれされたような瑠樹の声。
そんなふうにきこえるのは気のせいか?
でも真紘だって、確信が持てないから、そう訊くしかなくて……
「だって、何もいってくれなかったじゃないですか! 荷物はなくなるし、社で会っても知らん顔だし、研修最終日だって……」
真紘が突っ込むと、思い当たることがあるのか
「そ、それは……」
と、瑠樹がいい淀んだ。あの瑠樹が、だ。
今は、あのときのエレベーターボックスがクーペに変わっているだけなのではないか?
真紘の身柄は、瑠樹の意志ひとつにかかっている。同じ状況下に置かれていることに、気が付いた。
「あの~、確認したいのですが……」
おそるおそる真紘は切り出した。もう高速道路に乗ってしまったから、下りることはできない。このまま瑠樹と同乗するのなら、この先のことを、もっと詳しいあれこれを知る権利が真紘にはあるはずだ。
「どうぞ」
涼やかに瑠樹はいう。その声はごくごく普通。特に嫌がっている様子はない。これも、付き合っていたときと何ひとつ変わらない瑠樹である。真紘は錯覚してしまいそうだ。
だからまずはこう、訊いた。
「私って、まだ瑠樹さんカノジョなんですか?」
「まだ?」
瑠樹の声が裏返った。
(!)
(あれ? 変なこと、いっちゃった?)
(でも、ずっと無視していたじゃない)
「心外だな、そういうふうにいわれるのは」
少しふてくれされたような瑠樹の声。
そんなふうにきこえるのは気のせいか?
でも真紘だって、確信が持てないから、そう訊くしかなくて……
「だって、何もいってくれなかったじゃないですか! 荷物はなくなるし、社で会っても知らん顔だし、研修最終日だって……」
真紘が突っ込むと、思い当たることがあるのか
「そ、それは……」
と、瑠樹がいい淀んだ。あの瑠樹が、だ。