Restart〜二度目の恋もきみと
私は竜海さんのマンションに帰宅して
一人分の食事を作って食べ終えると
ボーっとしながら、食器を洗っていた。

今日は、竜海さんは取引先の人と
食べて帰ると連絡があったのだ。

取引先との食事なら、今日の帰りは遅くなるかもしれない。

いつもなら、寂しいと思ってしまうのに
今日は少しホッとしてしまう自分がいる。

禅ちゃんのことを思い出すたびに
胸が苦しくて押しつぶされそうになって
涙が出そうになる。

昔から、私の悩みを聞いて
励ましてくれていた禅ちゃんを
今は私が苦しめてしまっているのだ。

どうにかしたいのに、どうにもできない歯がゆさに私は途方に暮れていた。

もう、以前のように禅ちゃんとは
気楽に飲みに行ったり、お喋りはできないのだろうか?

私たちはこれっきり友達にはもどれないのだろうか?

そう考えると私は寂しくてたまらなくなってしまう。
帰宅してから、ずっと出るのは溜め息ばかりだ。
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