Restart〜二度目の恋もきみと
「いや、桜良が悪いわけではないから謝る必要なんてないんだ。
ただ、俺が一人で勝手に嫉妬して桜良に当たってしまっただけなんだから。
でも、あんまり他の男と手を繋ぐっていうのは、出来ればやめてほしい..」

そこまで言うと、竜海さんは
「ああ~、俺ってかなりかっこ悪いな」と
一人恥ずかしそうにブツブツと呟きながら頭を搔いている。

その様子が可愛くて笑ってしまいそうになる...

私は笑いを堪えながら
「そんなことないです」と
顔を横に振った。

「桜良、なんか笑い堪えてない?」

竜海さんが疑いの目を向けてくるので
私は“違うよ”というように思い切りフルフルと頭を振った。でも、竜海さんの顔を見ると思い出してしまい、フフッと吹き出してしまう。

竜海さんは「まあ、でも桜良になら笑われてもいいか」とフッと目を細めた。 

「すみません。なんだか竜海さん、可愛いなって思って..」

「可愛いいか..初めて言われたよ。」

竜海さんは照れくさそうに呟いた。

それにとっても嬉しい。
まだ私のことを少しでも思っていてくれてる
ことが分かってとっても嬉しい...

「そういえば、こんな言い争いの喧嘩って初めてですよね。」

「そう言われたら、そうだな。
喧嘩って仲直りするまでこんなにも
体力消耗するんだな。」

「フフッ。そうですね。
私も嫌われちゃったかなと思って
ずっとヒヤヒヤしてました」

私が苦笑いしていると
竜海さんが私の頬にそっと右手を添えた。

そして、「嫌いになるわけない。」
竜海さんは真剣な瞳で断言した。
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