春の花咲く月夜には
当時中学生の亜莉沙ちゃんが、いつの間にか、憧れの大好きな人と会えなくなってしまっていたこと。
思春期のその寂しさは、きっと、とてもつらかった。
葉月さんと賀上くんは、お互いに納得をして別れたのだし、誰かが悪いわけじゃない。
だけどあの時、亜莉沙ちゃんが、個人的に葉月さんと連絡が取れるように2人を繋げることをしていれば、亜莉沙ちゃんの気持ちはきっと違っていただろうって、彼は思ったそうだった。
「亜莉沙はあんな感じですけど・・・、憧れが強すぎるから、自分から葉月にコンタクトとるとかできなかったと思うんですよね。だから、今更だけど・・・、そこらへん、ちゃんと気づいてやれればよかったなって」
賀上くんが謝ると、亜莉沙ちゃんは、途端に泣き出してしまったそうだ。
けれどそこは亜莉沙ちゃん、静かに涙したわけじゃなく、「そうよ!!」「ばか!!」と言いながら、賀上くんに小さなパンチをポカポカと何度も入れたそうだった。
(・・・そ、そっか・・・。その状況、目に浮かぶようだけど・・・)
「・・・優しいね、賀上くん」
「え?・・・・・・いや・・・、全然。気づくの遅すぎだろって感じだし、結局、亜莉沙のこと泣かせてるし」
「でも、気づいて伝えて・・・。亜莉沙ちゃん、わかってもらえて嬉しかった気持ちがあるんじゃないかな。それできっとほっとして、涙が出たんだと思う」
「・・・・・・、そうなのかな・・・」
「うん。きっと・・・、そうだと思う」
彼の言葉で亜莉沙ちゃんの気持ちが変化して、私に対する感情も、同時に変化したんじゃないのだろうか。
賀上くんは、まだそうだとは思いきれないようだけど、戸惑いつつも、照れくさそうに頷いた。
・・・その時。
「んんんっ!」
「ゴホンッ!!」
あからさまな、咳払いのような声がした。
ハッとなって後ろを向くと、紗也華とアンナさんが、ニヤニヤしながら私たちのことを見守っていた。
(そ、そうだ・・・!)
はじめは、紗也華とアンナさんと3人で、話をしているところだったのに。
亜莉沙ちゃん、賀上くんと続けて登場し、2人のことを、すっかり忘れてしまっていた。
「あっ、ご、ごめんなさい・・・!」
「あはは、違う違う。いーのいーの。ニヤニヤしながら見てたから」
「そうそう。いや~、なんか、いいですねえ」
「ねえ」
思春期のその寂しさは、きっと、とてもつらかった。
葉月さんと賀上くんは、お互いに納得をして別れたのだし、誰かが悪いわけじゃない。
だけどあの時、亜莉沙ちゃんが、個人的に葉月さんと連絡が取れるように2人を繋げることをしていれば、亜莉沙ちゃんの気持ちはきっと違っていただろうって、彼は思ったそうだった。
「亜莉沙はあんな感じですけど・・・、憧れが強すぎるから、自分から葉月にコンタクトとるとかできなかったと思うんですよね。だから、今更だけど・・・、そこらへん、ちゃんと気づいてやれればよかったなって」
賀上くんが謝ると、亜莉沙ちゃんは、途端に泣き出してしまったそうだ。
けれどそこは亜莉沙ちゃん、静かに涙したわけじゃなく、「そうよ!!」「ばか!!」と言いながら、賀上くんに小さなパンチをポカポカと何度も入れたそうだった。
(・・・そ、そっか・・・。その状況、目に浮かぶようだけど・・・)
「・・・優しいね、賀上くん」
「え?・・・・・・いや・・・、全然。気づくの遅すぎだろって感じだし、結局、亜莉沙のこと泣かせてるし」
「でも、気づいて伝えて・・・。亜莉沙ちゃん、わかってもらえて嬉しかった気持ちがあるんじゃないかな。それできっとほっとして、涙が出たんだと思う」
「・・・・・・、そうなのかな・・・」
「うん。きっと・・・、そうだと思う」
彼の言葉で亜莉沙ちゃんの気持ちが変化して、私に対する感情も、同時に変化したんじゃないのだろうか。
賀上くんは、まだそうだとは思いきれないようだけど、戸惑いつつも、照れくさそうに頷いた。
・・・その時。
「んんんっ!」
「ゴホンッ!!」
あからさまな、咳払いのような声がした。
ハッとなって後ろを向くと、紗也華とアンナさんが、ニヤニヤしながら私たちのことを見守っていた。
(そ、そうだ・・・!)
はじめは、紗也華とアンナさんと3人で、話をしているところだったのに。
亜莉沙ちゃん、賀上くんと続けて登場し、2人のことを、すっかり忘れてしまっていた。
「あっ、ご、ごめんなさい・・・!」
「あはは、違う違う。いーのいーの。ニヤニヤしながら見てたから」
「そうそう。いや~、なんか、いいですねえ」
「ねえ」