春の花咲く月夜には
(・・・は、はあっ!?)


「ちょっ、え!?まさか・・・!」

私は顔を真っ青にして、奈緒からスマホを受け取ると、すぐさま画面を確認してみる。

するとそこには、アイコン「こはる」の名前があって、「平沢」なる男性とのメッセージのやり取りがずらっと表示されていた。


(は・・・!?ちょ、ナニコレは!?!?)


『こんにちは』から始まって、『明日、時間があれば会いましょう』『ぜひ♡』と会う約束を、この数分間に交わしてる。

奈緒も奈緒だけど、この「平沢さん」も軽すぎではなかろうか・・・。

マッチングアプリって、こんな感じが普通なの??


(だ、だめだ・・・。私には、ついていける気がしない・・・)


と、いうかその前に・・・!!

「奈緒っ、なんなのこれはっ!」

「だから明日の約束だって。一応、かわいらしい感じで書いたんだけど」

「かわ・・・、だ、だから!!そういうこと言いたいんじゃなくて・・・・・・、こんなこと、どうして勝手にしちゃったの!?」

頭の中は大混乱。

自分のスマホに、マッチングアプリがインストールされていて。

しかもすでに会員登録されていて、知らぬ男性と会う約束までをも交わしてる。


(・・・ど、どうするの、コレ・・・)


私は、わりと真面目な性格だ。

約束をしてしまった以上、会わなきゃいけない、という思考に囚われる。

いや、でも、突然見知らぬ男性と一対一で会うなんて、恐怖でしかないんだけれど・・・。

スマホを見つめ、ガタガタと震える私。

奈緒は頬杖をついて息をはく。

「だっておねーちゃん、絶対自分じゃしないでしょ?無理矢理でもしないと絶対一生このままだもん。絶対彼氏できないもん」

「そ、そんなのわからないじゃない」
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