きみと3秒見つめ合えたなら
 坂を下りきって、本当はここでお別れなんだけど、話は終わらなくて...
 
「あっちの公園、行きますか?」
 桐谷くんが提案してくれた公園へ行く。そして、少し人目につきにくい、木陰のベンチに座った。

「で、なんだっけ?『ヤキモチ作戦』?」

「春菜が、わざとオレにベタベタして、もし、先輩がオレのこと好きだったら、ちょっとヤキモチ焼くとか、凹むとか、するんじゃないかって。」

 私はまんまと春菜ちゃんの策にハマってしまった。恥ずかしい。

「ね、大成功。先輩の気持ち、ちょっとわかった。」
 
 どうしよう。もう受験一色でも頑張るって決めたのに。 

「先輩の答え、さすがに教えてくれない?」
< 121 / 129 >

この作品をシェア

pagetop