きみと3秒見つめ合えたなら
 長いと思っていた1時間があっと言う間だった。今日は相川とたくさん話せた。

「早かったな、意外と。
もう少し、相川と話したかったけど。
御山まで一緒してもいい?」
オレは素直な気持ちを相川にぶつける。


 オレ達は電車に乗り込み、『湊』で乗り換えた。
 そこから『御山公園』まで3駅。
 あと3駅しか一緒に居られない。

「あ、山崎くんからの返信、忘れてた。」
と言って相川はスマホを操作しだした。
 
 権田先生にも連絡を入れたらしく、相川は権田先生からのメッセージをみせてくれた。
『無理すんなよ。ゆっくり来い。』

「嘘、上手くつけたみたい。」
相川がホッとした表情をする。

「うん。よかった。
オレと相川の秘密だから。
誰にも言わないから、安心して。」

「うん。」

 ああ、もう『御山公園』についてしまう。

「合宿中、もしかしたら、どこかで会うかもな。」 
っていうか、意外と近くにいるんだから会いたい。...そんな余裕はないか。

「そうだね、同じ御山公園だもんね。」
相川は軽く答える。社交辞令っぽいな...。

『御山公園、左側のドアが開きます。』
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