エリートSPはようやく見つけたママと娘をとろ甘溺愛で離さない
「なににする?」

 席について、和臣がメニュー表を差し出してくる。

 表紙が革張りで、しっかりした作りだった。

 カフェはチェーン店ではなく、落ち着いた雰囲気で静かに話ができそうだ。

 店内の内装やメニューなどから感じる通り、少々値の張る店である。

「じゃあ……アップルティーで……」

 梓はメニューをざっと見て、はじめに目についたものを選んだ。

 和臣は「わかった」と言い、手を上げてスタッフを呼んだ。

「アイスコーヒーと、アップルティー……、コールドかな?」

 最後は梓を振り返って聞いてくれた。

 勝手に、もしくは夏だから冷たいものだろうなどという思い込みで決めてしまわないところが和臣らしい、となんとなく懐かしくなった。

「はい」

 小さく頷いて肯定する。それで話のお供は決まった。

 待つ間は何気ない話をした。

 今日はどうやってここまできたとか、お昼はもう食べたとか、そんな話。

 本題に入ったのは、飲み物がきて、それぞれひとくち飲んでからだった。
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