エリートSPはようやく見つけたママと娘をとろ甘溺愛で離さない
「……すごいです」

 中へ入って、すぐに梓は夢中になってしまった。

 ガラス窓に手をついて、外を眺める。

「綺麗だろう」

 和臣も横で同じように見ていた。

 下にはごちゃごちゃした街並みや、少し緑がある場所や、場所によって色々な景色が広がっていた。

 ついあちこち見回してしまう。

「はい! すごく!」

 顔を上げ、和臣のほうを見て言った梓。

 笑顔だったのが自覚できた。

 つられたのか、和臣も目元を緩め、もっと優しい表情になる。

「良かった。ゆっくり見て回ろう」

 360度が見渡せるのだ。

 二人は少しずつ移動しながら、風景を堪能していった。

 望遠鏡があった。

 それを覗いてみたり、もしくは床がガラス張りになっている場所もあった。

 その上に立ったときには、ちょっとぞくっとして、つい和臣の手をぎゅっと握ってしまった。

 和臣はそれにくすっと笑い、「大丈夫だよ」と言うのだった。

 展望台に、ひとはあまりいなかった。

 平日の夕方だ、元々来客が少ない時間帯だろう。

 夜になれば夜景を見に来るお客がいそうだが、ひとまず今は、ちらほらとしかひとがいない。

 静かに見ることができた。

「展望台、前に叶えてやれなかったから」

 見ているうちに、和臣がぽつりと言った。

 梓は一瞬、その意味がわからなかった。

 けれどすぐに、思い当たることがあったと気付く。

 目を丸くしてしまった。
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