エリートSPはようやく見つけたママと娘をとろ甘溺愛で離さない
「エレベーターに乗るよ」

 和臣は迷う様子もなく、すたすたと歩いていく。

 それでいて、梓がついていくのに大変なほどの速足でもない。

 梓は手を引かれるままに、ついていった。

 まるでこれはデート、と思ってしまって恥ずかしくなったけれど、今となってはきっと、その通りなのだった。

 エレベーターに着いて、乗り込んだ梓はそこで既に目を丸くしてしまった。

 エレベーターの表示階は、ずらっと数字が並んでいたのだから。

(……五十階? それ以上もあるの?)

 そんな高いところに行ってどうしようというのか。

 不思議に思ったが、悩む間もなかった。

 すぅっと体が持ち上がる感覚すらうっすらで、すぐに、チン、と音が鳴った。

 また和臣に引かれてエレベーターを降りて、踏み出して……。

「大人、二名お願いします」

 受付でもうわかっていた。

 和臣がカウンターでスタッフにそう言い、財布を出す。

 こんなところに来るのはいつぶりだろう。

 この建物は初めてだし、ほかの場所でも行ったことはもう、何年もない。

 一面、ガラス張りの壁。窓というより壁。

 ぐるっと、下の景色が一望できる、とても空に近いこの場所は、展望台であった。
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