エリートSPはようやく見つけたママと娘をとろ甘溺愛で離さない
「すごいな。パパはあんまり食べたことがないんだ。美味しそうだな」

 和臣はお皿などを運ぶのを手伝ってくれながら、感動したような声音でそう言う。

 確かにどちらかというと家庭料理の面が大きいし、学生時代はともかく、それからは外食かハウスキーパーのご飯だったと言っていたから、食べる機会があまりなかったのだろう。

「うん! ひな祭りにはママが作ってくれたの。とぉってもおいしいんだよ!」

 和は自慢げにそう言って、和臣もダイニングテーブルに食器を置きながら、和に笑顔を向けた。

「そうか。これから一緒に食べられるのが嬉しいな」

「和臣さん、和。おつゆがよそえたよ」

 最後に梓が、お椀によそいたてのお吸い物を運んできたら準備完了だ。

 これも和が好きなものである。

「貝のおつゆだ!」

「おお……これ、なんの貝なんだ」

 和は見慣れているので明るい顔で、和臣は逆にちょっと不思議そうに、しげしげとお椀の中身を見つめた。
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