エリートSPはようやく見つけたママと娘をとろ甘溺愛で離さない
 まぐろの赤。

 サーモンのオレンジ。

 錦糸卵の黄色。

 桜でんぶのピンク。

 きぬさやの緑……。

 お皿にたっぷり盛られている初めての夕食は、とてもカラフルなものだった。

「すごぉい……! ひな祭りみたい!」

 子ども用の椅子についた和は、身を乗り出して、きらきらした目でそれ、ちらし寿司を見つめた。

 引っ越しの定番は蕎麦だが、蕎麦は二人の家であまり食べないメニューだった。

 和はあまり麵類が得意ではなかった。

 食べ物としては普通に食べてくれるのだが、なにしろ食べづらい形状だ。

 まだお箸を使うのが上手くない和には難易度が高くて、よって梓が作るのも稀なことであった。

 それもあり、違うものをと考えたとき、頭に浮かんだのがこのちらし寿司だ。

 和も大好きなメニューであるし、華やかで特別な日に食べるものだ。

 今日に相応しいだろう。
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