エリートSPはようやく見つけたママと娘をとろ甘溺愛で離さない
 近頃、急な仕事が入ることがちょくちょくある。

 別に不審だなんて思っていない。

 帰ってくるときの様子を見れば、明らかに仕事であったのがわかるのだし、変な疑いなんて欠片もない。

 ただ、寂しいのだ。

 三人で一緒にご飯が食べられなかったり、過ごす時間が減ってしまったりと、そういうことが。

(……我儘だよね)

 梓は内心、自分に呆れて、ため息をついた。

 籍を入れて、名実共に家族になれて。

 幸せいっぱいで、それに満足しておくべきなのに、自分は我儘で欲張りだ。

 ひとつ叶えば、またひとつ望んでしまう。

 人間とはそういうものだと思いつつも、そう考えてしまうのはやはり、あまり楽しくなくて。


 ああ、やめよう。
 ご飯に集中しよう。
 それに週末にはお出掛けしようって言ってもらってるんだし。
 楽しいことを考えるのが一番だよ。


 そう自分に言い聞かせて、梓は夕食の準備を進めていった。

 一緒に食べられないとしても、作るご飯が三人分になったのは嬉しいことだ、とそこから幸せな気持ちは簡単に復活してくれた。
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