エリートSPはようやく見つけたママと娘をとろ甘溺愛で離さない
「悪いわね、番号はかずくんのスマホから見させてもらったわ」

 美穂は冷たい口調でそう言った。

 かずくん、と呼んでいたのは高校時代からそうだったから違和感はない。

 でももう別れたと言っていたのに、そんな呼び方をしているのは少し違和感があった。

 そしてもっと違和感というか、こちらははっきりおかしいと思うことだが、スマホから見たという点だ。

 どうして別れたというのに、スマホを手に取れるところにいたというのだろう。

 和臣から渡されたのだろうか、いやそんなはずはない……。

 梓が混乱しているうちに、美穂によって事情が淡々と話された。

 聞いていくうちに、梓は心がどんどん冷えていくのを感じてしまった。

「……というわけで、婚約はまだ有効なの。かずくんは私との関係は終わったと思っているだろうけど、婚約自体は解消されていないのよね。気付いてないのか、それとも」

 そこで美穂は、言葉を一旦切った。

 そのあと出てきた言葉に、梓は今度こそ心が凍り付くのを感じてしまった。

「あなたを引っかけるために、気付かなかったふりをしたのか」
< 26 / 327 >

この作品をシェア

pagetop