エリートSPはようやく見つけたママと娘をとろ甘溺愛で離さない
 心臓が冷凍庫に放り込まれたかと思った。それほど冷たく、痛いほどに凍り付く。

 その言葉を発した美穂が、嫌な笑みを浮かべていたのに気付く余裕すらない。

「……か、和臣さんは、そんなひとじゃありません!」

 言い返すには、数秒を要した。

 それでもなんとか言い返した。

 だって信じている。

 和臣はそんなひとではない。

 そんな不誠実なひとであるはずがないと、よく知っている。

 だから声は震えたけれど、言い切った。

 和臣を疑う気持ちなど、微塵もなかった。

 梓がはっきり言ってのけた言葉だったのに、その言葉は散っていった。

 美穂が、ふっと笑った吐息によって。

「そう。でもかずくんに私との結婚が必要なのは変わらないからね。だって」

 ひとつ呼吸を挟んで、美穂は言った。

 梓にとって、決定打になるような言葉だった。

「私のパパは警視総監なんだもの。婚約を破棄なんてしたら、どうなるかわかるわよね?」
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